米べいFRB議長ぎちょう トランプ政権せいけん関税かんぜい 想定そうてい以上いじょうも“利下りさげ判断はんだん 急いそがず”

FRBのパウエル議長ぎちょうは4日にち、南部なんぶバージニア州しゅうで講演こうえんし、トランプ政権せいけんが2日にちに打ち出うちだした関税かんぜい措置そちを念頭ねんとうに「不ふ確実かくじつ性せいは依然いぜんとして高たかいが、関税かんぜいの引き上ひきあげは予想よそうよりも大幅おおはばに大おおきくなることが明あきらかになりつつある」という認識にんしきを示しめしました。

また「経済けいざいへの影響えいきょうについても同様どうように大おおきくなるだろう。その影響えいきょうにはインフレ率りつの上昇じょうしょうや経済けいざい成長せいちょうの鈍化どんかなどが含ふくまれる。大おおきさやどのくらいの期間きかんに及およぶかは依然いぜんとして不透明ふとうめいだ」と述のべました。

その一方いっぽうで「不ふ確実かくじつ性せいが高たかまり、下した振ふれリスクが高たかまっているものの、経済けいざいは依然いぜんとして良好りょうこうな状態じょうたいにある。インフレ率りつもまだ2％の目標もくひょうを上回うわまわっている」などと述のべました。

その上うえで、パウエル議長ぎちょうは「われわれは急いそぐ必要ひつようはないと感かんじる。金融きんゆう政策せいさくの適切てきせつな方向ほうこう性せいについて結論けつろんを出だすのは時期じき尚早しょうそうだ」として、利下りさげの判断はんだんは急いそがず、今後こんご発表はっぴょうされる経済けいざい指標しひょうなどを見極みきわめて、慎重しんちょうに金融きんゆう政策せいさくを決定けっていしていく考かんがえを強調きょうちょうしました。

物価ぶっかへの影響えいきょう “インフレ率りつ上昇じょうしょう 持続じぞくの可能かのう性せいも”

パウエル議長ぎちょうは4日にちの講演こうえんで、トランプ政権せいけんの関税かんぜい引き上ひきあげが物価ぶっかに及およぼす影響えいきょうについて「関税かんぜいは少すくなくとも一時いちじ的てきなインフレ率りつの上昇じょうしょうを引き起ひきおこす可能かのう性せいが高たかいが、その影響えいきょうがより持続じぞくする可能かのう性せいもある」と述のべました。

パウエル議長ぎちょうは、3月つき20日にちの記者きしゃ会見かいけんでは、関税かんぜいによるインフレ率りつの上昇じょうしょうは「一時いちじ的てきなものになる可能かのう性せいがある」という認識にんしきを示しめしましたが、トランプ大統領だいとうりょうが4月つき2日にちに表明ひょうめいした関税かんぜい措置そちが想定そうていを大おおきく上回うわまわる内容ないようとなったことで、関税かんぜい引き上ひきあげの影響えいきょうがより持続じぞくする可能かのう性せいにも言及げんきゅうした形かたちです。

トランプ大統領だいとうりょう“パウエル議長ぎちょうよ 金利きんりを下さげろ”SNSで

トランプ大統領だいとうりょうは4日にち、自身じしんのSNSに「FRB＝連邦れんぽう準備じゅんび制度せいど理事りじ会かいのパウエル議長ぎちょうにとって金利きんりを引き下ひきさげる絶好ぜっこうのタイミングだろう。彼かれはいつも対応たいおうが遅おくれるが、今いまならそのイメージを変かえることもできる。エネルギー価格かかくは低下ていかし、卵たまごの価格かかくなども下さがっている。パウエル議長ぎちょうよ、金利きんりを下さげろ。政治せいじ的てきな駆け引かけひきはやめろ」と投稿とうこうしました。

パウエル議長ぎちょう 政治せいじから独立どくりつの姿勢しせい強調きょうちょう 対立たいりつ鮮明せんめいに

トランプ大統領だいとうりょうとFRBのパウエル議長ぎちょうの対立たいりつが、鮮明せんめいになっています。

トランプ大統領だいとうりょうの「パウエル議長ぎちょうよ、金利きんりを下さげろ」などのSNS投稿とうこうについて、金融きんゆう市場しじょうでは、トランプ政権せいけんが打ち出うちだした関税かんぜい措置そちをきっかけに株価かぶかが急落きゅうらくする中なか、利下りさげによる経済けいざいや株価かぶかの下支したざさえを求もとめるねらいがあると受け取うけとられました。

しかし、投稿とうこうのすぐあとに講演こうえんしたパウエル議長ぎちょうは、利下りさげの判断はんだんは急いそがず、経済けいざい指標しひょうなどを見極みきわめて、慎重しんちょうに金融きんゆう政策せいさくを決定けっていしていく考かんがえを強調きょうちょうしました。

さらにパウエル議長ぎちょうは「われわれは厳格げんかくに非ひ政治せいじ的てきだ。そのことはどれだけ強調きょうちょうしても強調きょうちょうしすぎることはない」と述のべました。

またネクタイの色いろについて問とわれ、共和きょうわ、民主みんしゅ両りょう党とうのイメージカラーを念頭ねんとうに、赤あかでも青あおでもなく、いつも紫むらさきのネクタイをしていると答こたえる一幕ひとまくもありました。

トランプ大統領だいとうりょうがFRBに対にたいし頻繁ひんぱんに利下りさげを要求ようきゅうする発言はつげんや投稿とうこうを繰り返くりかえし、独立どくりつ性せいが重おもんじられるFRBの政策せいさく判断はんだんへの影響えいきょうを懸念けねんする指摘してきも出でる中なかで、パウエル議長ぎちょうは政治せいじから独立どくりつして金融きんゆう政策せいさくを決定けっていしていく姿勢しせいを強調きょうちょうしました。