品位ひんいを損そこなう選挙せんきょポスター禁止きんし 公選法こうせんほう改正かいせい案あん 衆院しゅういん特別とくべつ委いで可決かけつ

与野党よやとう7党とうが先週せんしゅう提出ていしゅつした公職こうしょく選挙せんきょ法ほうの改正かいせい案あんは、25日にち午後ごご、政治せいじ改革かいかくに関にかんする衆議院しゅうぎいんの特別とくべつ委員いいん会かいで質疑しつぎのあと採決さいけつが行おこなわれました。

その結果けっか、自民党じみんとう、立憲りっけん民主党みんしゅとう、日本にっぽん維新いしんの会かい、公明党こうめいとう、国民こくみん民主党みんしゅとう、共産きょうさん党とうの賛成さんせい多数たすうで可決かけつされました。

れいわ新選しんせん組ぐみと、無所属むしょぞくの衆議院しゅうぎいん議員ぎいんでつくる会派かいは「有志ゆうしの会かい」は「内容ないようが不ふ明確めいかくだ」などとして反対はんたいしました。

可決かけつされた改正かいせい案あんでは、ポスターに他人たにんやほかの政党せいとうの名誉めいよを傷きずつけるなど品位ひんいを損そこなう内容ないようの記載きさいを禁止きんしすることや、営利えいり目的もくてきで使用しようした場合ばあいは100万まん円えん以下いかの罰金ばっきんを科かすことなどが盛り込もりこまれています。

また、付則ふそくでは、SNSで選挙せんきょに関にかんする偽にせ情報じょうほうなどが拡散かくさんしているような状況じょうきょうに対応たいおうするとともに、当選とうせんの意思いしのない候補こうほ者しゃがほかの候補こうほ者しゃを応援おうえんする、いわゆる「2馬力ばりき」と呼よばれる状況じょうきょうを念頭ねんとうに候補こうほ者しゃ間かんの公平こうへいを確保かくほするため、施策しさくのあり方ありかたを検討けんとうし、必要ひつような措置そちを講こうじるとしています。

一方いっぽう、選挙せんきょごとに複数ふくすうの規格きかくがあったポスターの大おおきさを統一とういつする改正かいせい案あんの採決さいけつも行おこなわれ、全会ぜんかい一致いっちで可決かけつされました。

【詳くわしく】選挙せんきょ運動うんどうをめぐる新あらたな課題かだい どう対応たいおう?

去年きょねんの東京とうきょう都と知事ちじ選挙せんきょや兵庫ひょうご県知事けんちじ選挙せんきょなどをきっかけに、選挙せんきょ運動うんどうをめぐる新あらたな課題かだいが生しょうじていることを受うけ、与野党よやとうは実務じつむ者しゃによる協議きょうぎ会かいで、対応たいおうを話し合はなしあってきました。

“同おなじ複数ふくすうの”“風俗ふうぞく店名てんめい載のせた”選挙せんきょポスターへの対応たいおう

東京とうきょう都と知事ちじ選挙せんきょで複数ふくすうの同おなじ選挙せんきょポスターや風俗ふうぞく店てんの店名てんめいなどを載のせたポスターが掲示板けいじばんに貼はられたことを受うけ、与野党よやとう7党とうは今月こんげつ20日にち、選挙せんきょポスターに品位ひんいを損そこなう内容ないようの記載きさいを禁止きんしするための公職こうしょく選挙せんきょ法ほうの改正かいせい案あんを国会こっかいに提出ていしゅつし、25日にち、衆議院しゅうぎいんの特別とくべつ委員いいん会かいで可決かけつされました。

与野党よやとうは、夏なつの東京とうきょう都議会とぎかい議員ぎいん選挙せんきょや参議院さんぎいん選挙せんきょに施行しこうが間に合まにあうよう、早期そうきの成立せいりつを目指めざしています。

選挙せんきょ“2馬力ばりき”への対応たいおう

去年きょねんの兵庫ひょうご県知事けんちじ選挙せんきょでは、当選とうせんの意思いしのない候補こうほ者しゃの選挙せんきょ運動うんどうがほかの候補こうほ者しゃのために行おこなわれたのではないかと指摘してきされました。

こうした状況じょうきょうを踏ふまえ、25日にちに特別とくべつ委員いいん会かいで可決かけつされた公職こうしょく選挙せんきょ法ほうの改正かいせい案あんの付則ふそくでは、候補こうほ者しゃ間かんの公平こうへいを確保かくほするため、施策しさくのあり方ありかたを検討けんとうし、必要ひつような措置そちを講こうじるとしています。

選挙せんきょでのSNS利用りようのあり方ありかたについて

自民党じみんとうが2月つき、与野党よやとうの協議きょうぎ会かいで示しめした「論点ろんてん」では、

▽偽にせ情報じょうほうの拡散かくさん

▽収益しゅうえきを上あげる目的もくてきでの利用りよう

▽SNSの運用うんようを民間みんかんに委託いたくする場合ばあいの報酬ほうしゅうのあり方ありかた

▽公職こうしょく選挙せんきょ法ほうの虚偽きょぎ事項じこう公表こうひょう罪ざいの適用てきようの厳格げんかく化か、などを挙あげています。

そして「デマの拡散かくさんによって選挙せんきょ結果けっかへの重大じゅうだいな影響えいきょうが生しょうじている」と指摘してきし、対策たいさくとして「情報じょうほう流通りゅうつうプラットフォーム対処たいしょ法ほう」を改正かいせいしてSNSの運営うんえい事業じぎょう者しゃの責任せきにんをより明確めいかく化かするよう求もとめています。

具体ぐたい的てきには、候補こうほ者しゃへのひぼう中傷ちゅうしょうや偽にせ情報じょうほうを含ふくむコンテンツが投稿とうこうされた場合ばあい、事業じぎょう者しゃが収益しゅうえきの支払しはらいを停止ていしできる仕組しくみを導入どうにゅうすべきだとしています。

SNSアカウントの本人ほんにん確認かくにんの強化きょうかなども挙あげています。

公職こうしょく選挙せんきょ法ほうの改正かいせい案あんの付則ふそくには、SNSで選挙せんきょに関にかんする偽にせ情報じょうほうなどが拡散かくさんしているような状況じょうきょうに対応たいおうするため、「2馬力ばりき」への対応たいおうと同様どうように、施策しさくのあり方ありかたを検討けんとうし、必要ひつような措置そちを講こうじることが盛り込もりこまれました。

ただ、法案ほうあんを提出ていしゅつした議員ぎいんの1人にんは「付則ふそくの規定きていは、何なんらかの対応たいおうが必要ひつようだという意思いしを示しめしたものであり、これだけでは防ふせぎきれない」と話はなしています。

今後こんご、法ほう改正かいせいも含ふくめ、実効じっこう性せいのある対策たいさくがとられるのかが焦点しょうてんとなりますが、与野党よやとうの議員ぎいんからは「規制きせいを強化きょうかすると表現ひょうげんの自由じゆうを制約せいやくしかねない」という懸念けねんや「どこまでがセーフでどこからがアウトなのか線引せんひきは難むずかしい」という声こえが上あがっていて、慎重しんちょうに議論ぎろんが進すすめられる見通みとおしです。

一方いっぽう、総務そうむ省しょうは、インターネット上じょうの偽にせ情報じょうほうなどの問題もんだいに対応たいおうするため、去年きょねん10月つきに有識者ゆうしきしゃによる検討けんとう会かいを立たち上あげていて、1月つき、村上むらかみ総務そうむ大臣だいじんは、この春はるをめどに、どのような情報じょうほうが違法いほうなのかを示しめす、違法いほう情報じょうほうガイドラインを策定さくていする方針ほうしんを示しめしています。