また、首都キーウではヨーロッパやカナダなど10か国以上の首脳が集まって対面とオンラインによる首脳会合を開き、侵攻の終結に向けて各国が結束していくことを確認しました。
オンラインによるG7首脳会合には、ウクライナの首都キーウからゼレンスキー大統領が議長国カナダのトルドー首相らとそろって参加しました。
この中でゼレンスキー大統領は、アメリカのトランプ大統領に対し「トランプ大統領、私たちはアメリカの支援が続くのか、聞きたい。私たちの国民は誰もが心配している」と述べ、ウクライナへの支援を続けるよう直接、訴えかけました。
また、鉱物資源の権益をめぐるアメリカとの協議に言及し「生産的な話し合いを進めている」と述べ、合意に期待を示しました。
そのうえで侵攻の終結に向けたロシアとの交渉にはウクライナとヨーロッパも参加すべきだという考えを改めて強調しました。
これに対しトランプ大統領は、SNSにメッセージを投稿し、鉱物資源の権益をめぐるウクライナとの協議について近く署名するという見方を示すとともに、ロシアのプーチン大統領と侵攻の終結に向けて真剣に話し合いを続けていると強調しました。
これまで繰り返し批判してきたゼレンスキー大統領については言及しませんでした。
一方、首脳会合の共同声明は文言をめぐって調整が続いているとみられ、発表されておらず、複数のメディアは「ロシアによる侵攻」などロシアに批判的な文言にアメリカが反対しているなどと伝えています。
首都キーウでも10か国以上の首脳が会合
ウクライナの首都キーウには24日、スペインやカナダなど10か国以上の首脳が集まり、対面とオンラインによる首脳会合を開きました。
会合には日本の石破総理大臣がオンラインで参加するなどあわせて40を超える国の首脳や国際機関のトップが参加しました。
この中でゼレンスキー大統領は「私たちは、強さと知恵、そして団結によって平和を実現しなければならない」と述べ、ロシアによる侵攻の終結に向けて各国の結束や支援を改めて呼びかけました。
また、EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は「危機にひんしているのはウクライナの運命だけではない。ヨーロッパの運命もだ」と述べ、ウクライナ支援の重要性を強調するなど、侵攻の終結に向けて各国が結束していくことを確認しました。
さらにフォンデアライエン委員長は会合の後の記者会見でウクライナが求めるEU加盟について「2030年よりも早くなる可能性がある」と述べ前向きな姿勢を示しました。
一方で首脳会合にはアメリカの姿はなく、欧米の連携にほころびをうかがわせる結果となりました。
国連総会 ロシア軍の撤退求める決議案採択 アメリカは反対
国連総会では24日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から3年となるのにあわせて、特別会合が開かれ、ウクライナやEUなどが提出した、戦闘の停止とロシア軍の撤退などを求める決議案が採決にかけられました。
決議は日本など93か国の賛成多数で採択されましたが、アメリカやロシアなど18か国が反対し、65か国が棄権しました。
さらにアメリカはこの決議案に対抗して「侵攻」などロシアへの批判的な文言を使わずに「紛争の早期終結」を要請するとした別の決議案を提出しました。
アメリカのシェイ国連臨時代理大使は、「戦争の終結というシンプルな考えに焦点をあてた決議案だ」と説明し、ロシアのネベンジャ国連大使も「正しい方向への一歩だ」と評価しました。
このアメリカの決議案に対しフランスなどは「ロシアによるウクライナへの全面的な侵攻」という表現を盛り込んだ修正案を提案し、これが各国の賛成多数で採択されたため、アメリカは自ら提案した決議案を棄権しました。
国連総会の決議に法的な拘束力はありませんが、ウクライナ情勢をめぐるアメリカとウクライナやヨーロッパ諸国との立場の隔たりが国連の場で浮き彫りになりました。
フィンランド 犠牲者追悼と団結訴える催し
ロシアによるウクライナ侵攻から3年を迎えた24日、フィンランドの首都ヘルシンキで犠牲者を悼み、ウクライナへの団結を訴える催しが開かれました。
フィンランドは、ロシアによる侵攻をめぐっては一貫してウクライナを支援していて、催しはロシアによる侵攻開始から24日で3年となるのに合わせて開かれました。
首都ヘルシンキの観光名所でもあるヘルシンキ大聖堂の前にある広場では2000本以上のキャンドルがともされ、亡くなった犠牲者に黙とうがささげられました。
参加した女性のひとりは停戦に向けた外交が活発化している一方、ウクライナやヨーロッパの頭越しに米ロの高官による会合が開かれたことについて「議論を交わすことは重要だと思いますが、正しい当事者がテーブルについていなければいけない。これは当事者抜きで議論できるような問題ではありません」と話していました。
また、フィンランドで暮らすウクライナからの避難者の学生は「家族と離れて住んでいるので悲しいですが、ここではフィンランドの人からのサポートを実感することができます」と話していました。