일본어 뉴스: 鬼怒川の浸水被害訴訟 2審の東京高裁も国に賠償命じる

鬼怒きぬ川がわの浸水しんすい被害ひがい訴訟そしょう 2審しんの東京とうきょう高裁こうさいも国くにに賠償ばいしょう命めいじる

N2 Feb 26, 2025 16:02 30

Furigana

10年ねん前まえの2015年ねん「関東かんとう・東北とうほく豪雨ごうう」で鬼怒きぬ川がわが氾濫はんらんし、大だい規模きぼな浸水しんすい被害ひがいにあった茨城いばらき県けん常つね総そう市しの住民じゅうみんなどが、国くにの河川かせん管理かんりが不適切ふてきせつだったと訴うったえた裁判さいばんで、2審しんの東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょは1審しんに続つづいて国くにの責任せきにんを認みとめ、賠償ばいしょうを命めいじました。

2015年ねんの「関東かんとう・東北とうほく豪雨ごうう」では常つね総そう市しで鬼怒きぬ川がわの堤防ていぼうが決壊けっかいし、災害さいがい関連かんれん死しを含ふくめて茨城いばらき県内けんないで16人にんが死亡しぼうしたほか、住宅じゅうたくおよそ1万まん棟むねが水みずにつかり、被害ひがいにあった住民じゅうみんや遺族いぞくなど31人にんは、「国くにの河川かせん管理かんりが不適切ふてきせつだった」として、国くにに3億おく5800万まん円えんあまりの賠償ばいしょうを求もとめました。

1審しんの水戸みと地方ちほう裁判所さいばんしょは原告げんこくのうち9人にんにあわせて3900万まん円えんあまりを賠償ばいしょうするよう国こくに命めいじ、双方そうほうが控訴こうそしていました。

2審しんの東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょの中村なかむら也寸志やすし裁判さいばん長ちょうは判決はんけつで、越水こしみずの被害ひがいが出でた若宮戸わかみやど地区ちくについて、「実態じったいとして堤防ていぼうの役割やくわりを果はたしていた砂丘さきゅうが掘削くっさくされ、安全あんぜん性せいが備そなわらない状態じょうたいとなった。国くには砂丘さきゅうを維持いじし、保全ほぜんする必要ひつようがあったが、しなかった」と指摘してきし、1審しんに続つづいて国くにの責任せきにんを認みとめました。

一方いっぽうで、慰謝いしゃ料りょうなどを見直みなおし、原告げんこく9人にんに1審しんよりも少すくないあわせて2800万まん円えんあまりを賠償ばいしょうするよう国こくに命めいじました。

また、堤防ていぼうが決壊けっかいした上うえ三さん坂ざか地区ちくについては、「優先ゆうせんして堤防ていぼうを整備せいびしなかったことが不ふ合理ごうりとはいえない」とし、1審しんに続つづいて訴うったえを退しりぞけました。

原告げんこく団だん共同きょうどう代表だいひょう「国くにの賠償ばいしょう額がくが減額げんがく 1審しんよりも厳きびしい判決はんけつ」

判決はんけつが言い渡いいわたされたあと、東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょの前まえで原告げんこく団だんは「勝訴しょうそ」と書かかれた紙かみを掲かかげました。

取材しゅざい陣じんに対にたいし、原告げんこく団だんの共同きょうどう代表だいひょうの片倉かたくら一美かずみさんは「1審しんと同おなじく一部いちぶ勝訴しょうそしたものの、国くにの賠償ばいしょう額がくが減額げんがくされてしまいました。1審しんよりも厳きびしい判決はんけつです」と話はなしました。

原告げんこく団だん「気持きもちとしては敗訴はいそ」上告じょうこくする考かんがえ

判決はんけつ後ご、原告げんこく団だんと弁護士べんごしが都内とないで会見かいけんを開ひらき、原告げんこく団だんの共同きょうどう代表だいひょうの片倉かたくら一美かずみさんは「『勝訴しょうそ』の旗はたを出だしたが、私わたしの気持きもちとしては敗訴はいそだ。上うえ三さん坂ざか地区ちくの賠償ばいしょうが認みとめられず、なぜこうしたことを司法しほうが認みとめるのか」と述のべ、上告じょうこくする考かんがえを示しめしました。

原告げんこく団だん弁護士べんごし「国くにの責任せきにんを認みとめる判決はんけつは画期的かっきてき」

また、只野ただの靖やすし弁護士べんごしは「昨今さっこん相次あいつぐ水害すいがいの被害ひがいの中なかで、国くにの責任せきにんを認みとめる判決はんけつは画期的かっきてきで、一石いっせきを投とうじるものになった。国くには、上告じょうこくせずに責任せきにんを認みとめ、今後こんごは、同様どうようの多おおくの被害ひがい者しゃに賠償ばいしょうする枠組わくぐみをつくってほしい」と話はなしていました。

国交こっこう省しょう関東かんとう地方ちほう整備せいび局きょく「国くにの主張しゅちょうが一部いちぶ認みとめられなかったと認識にんしき」

国土こくど交通こうつう省しょう関東かんとう地方ちほう整備せいび局きょくの岩崎いわさき福久ふくひさ局長きょくちょうは「国くにの主張しゅちょうが一部いちぶ認みとめられなかったと認識にんしきしている。判決はんけつ内容ないようを慎重しんちょうに精査せいさし、関係かんけい機関きかんと協議きょうぎの上うえ、適切てきせつに対処たいしょしていく」というコメントを出だしました。