日本新聞: 野菜もコメも高値続くキャベツなど平均価格は平年比2倍超

スーパーなどで販売はんばいされるはくさいとキャベツの平均へいきん価格かかくは、先週せんしゅうの時点じてんで平年へいねんの2倍ばいを超こえ、高値たかねが続つづいています。この冬ふゆ、雨あめが少すくなかったことなどが影響えいきょうしているということで、農林水産省のうりんすいさんしょうは、今後こんごの天候てんこうによる影響えいきょうを注視ちゅうししたいと話はなしています。

農林水産省のうりんすいさんしょうは2月つき17日にちから19日にちまでのはくさいやキャベツなど8品目ひんもくの野菜やさいの、スーパーなどでの平均へいきん価格かかくを調査ちょうさし、26日にち、発表はっぴょうしました。

それによりますと、

▽はくさいは1キロあたり388円えんで、平年へいねんのおよそ2.7倍ばい

となりました。はくさいの価格かかくは1月つき以降いこう、平年へいねんの2倍ばい以上いじょうの高値たかねが続つづいています。

農林水産省のうりんすいさんしょうによりますと、いまの時期じき、主おもな産地さんちとなっている茨城いばらき県けんや群馬ぐんま県けんなどで、この冬ふゆ、雨あめが少すくなかったことなどから、生育せいいくが遅おくれているということです。

このほか、

▽キャベツの平均へいきん価格かかくは1キロあたり401円えんと平年へいねんのおよそ2.5倍ばい

▽レタスとだいこん、ねぎは平年へいねんのおよそ1.5倍ばい

▽にんじんは平年へいねんのおよそ1.4倍ばい

などと、調査ちょうさしたすべての品目ひんもくで平均へいきん価格かかくが平年へいねんを上回うわまわりました。

農林水産省のうりんすいさんしょうは、今後こんごの主おもな産地さんちの天候てんこうが野菜やさいの生育せいいくに与あたえる影響えいきょうを注視ちゅうししたいと話はなしています。

スーパーでは野菜やさいの販売はんばいに苦戦くせん

新潟にいがた市しのスーパーでは白菜はくさいやキャベツなどの野菜やさいの価格かかくが高騰こうとうして去年きょねんの4倍ばいになっているものもあり、買い物かいもの客きゃくからは家計かけいへの影響えいきょうを懸念けねんする声こえが聞きかれました。

新潟にいがた市し西にし区くのスーパーでは1月つき中旬ちゅうじゅんごろから野菜やさいの価格かかくが高騰こうとうしていて、白菜はくさいは半分はんぶんにカットしたものが税ぜい抜ぬきで598円えんと、去年きょねんの同おなじ時期じきの4倍ばいになっているほか、キャベツも半分はんぶんにカットしたものが230円えんと、去年きょねんの2倍ばいになっています。

価格かかくの高騰こうとうを受うけて、この店みせでは4分ぶんの1にカットしたキャベツの販売はんばいも始はじめ、できるだけ客きゃくが手てに取とりやすいように工夫くふうしていますが、値上ねあがりした野菜やさいの売れ行うれゆきは落おちています。

さらに、コメも去年きょねんの秋あきから5キロあたりで1000円えん程度ていど値上ねあがりした状態じょうたいが続つづき、卸売おろしうり業者ぎょうしゃから仕入しいれる量りょうも制限せいげんされているということで、棚たなの一部いちぶが空そらになっていました。

80代だいの男性だんせい客きゃく

「葉は物ぶつ野菜やさいが特とくに高たかいです。野菜やさいをたくさん食たべたいですが、必要ひつような量りょうだけ買かうようにしています。年金ねんきん暮くらしにはつらいです」

70代だいの女性じょせい客きゃく

「野菜やさいや果物くだものが高たかいので、節約せつやくせざるを得えません。以前いぜんの価格かかくに戻もどってほしいです」

スーパー「ichiman」高井たかい栄二えいじ朗ろう店長てんちょう

「野菜やさいの値段ねだんが下さがる見込みこみは立たっておらず、3月つきも食品しょくひんの値上ねあげが予定よていされていると聞きいています。特売とくばいも限かぎられた商品しょうひんしかできず心苦こころぐるしい状況じょうきょうです」

給食きゅうしょくの食材しょくざい選えらびに工夫くふうも

キャベツや白菜はくさいなど野菜やさいの高値たかねが続つづくなか、学校がっこう給食きゅうしょくの現場げんばではこのままの状況じょうきょうが続つづけば提供ていきょうできる献立こんだての種類しゅるいが限かぎられてしまうのではないかと心配しんぱいする声こえが聞きかれました。

東京とうきょう・大田おおた区くの大森おおもり第だい三さん小学校しょうがっこうでは、校内こうないの調理ちょうり室しつで児童じどうなどおよそ580人にん分ぶんの給食きゅうしょくを作つくっていて、管理かんり栄養えいよう士しが年度ねんどごとに決きめられた予算よさんの中なかで食材しょくざい費ひを管理かんりし、1か月かげつ先さきまでの献立こんだてを決きめて、月つきごとに食材しょくざいを業者ぎょうしゃに注文ちゅうもんしています。

さまざまな食材しょくざいの値上ねあげが続つづく中なかで、この学校がっこうでは、年度ねんど末まつに予算よさんがひっ迫ひっぱくしないよう魚さかなはホキやサメ、肉にくはこま切ぎれなど比較的ひかくてき安やすい食材しょくざいも取り入とりいれて献立こんだてを作つくるなど工夫くふうしてきました。

それでも先月せんげつ、キャベツが高騰こうとうした際さいにはみそ汁じるの具ぐを白菜はくさいに変更へんこうしたほか、サラダに使つかう量りょうを減へらして代かわりにもやしを入いれるなど献立こんだてを変更へんこうせざるをえなかったということです。

野菜やさいの高値たかねはいまも続つづいていて、学校がっこうに納品のうひんされた1キログラムあたりの価格かかくは、キャベツは去年きょねん1月つきは220円えんでしたが今月こんげつは470円えんに、白菜はくさいも210円えんが430円えんになっていて、それぞれおよそ2倍ばいに値上ねあがりしています。

これまでの食材しょくざい選えらびの工夫くふうもあって、年度ねんど内ないは献立こんだてを変更へんこうしなくても予算よさん内ないで対応たいおうできる見込みこみだということですが、野菜やさいなどの高値たかねが長期ちょうき化かすれば使つかえる食材しょくざいの幅はばが狭せばまり、提供ていきょうできる献立こんだての種類しゅるいが限かぎられるおそれもあるということです。

小学校しょうがっこうの管理かんり栄養えいよう士しの井上いのうえありささんは「ほかの食材しょくざいで代用だいようすることで、必要ひつような栄養えいようやカロリーは満みたせますが、子こどもたちが好すきなギョーザの具ぐをキャベツからもやしに変更へんこうすることはできません。給食きゅうしょくを通をとおして子こどもたちには食しょく文化ぶんかや旬しゅんの食材しょくざいを学まなんでほしいと思おもっていますが、その機会きかいが減へってしまうのではないかと心配しんぱいしています」と話はなしていました。

給食きゅうしょく費ひ1割わり値上ねあげの試算しさんも宮崎みやざき

宮崎みやざき市しでは、現在げんざいの献立こんだてを維持いじするためには新しん年度ねんどの給食きゅうしょく費ひを1割わりほど値上ねあげする必要ひつようがあるという試算しさんをまとめたことがわかりました。

宮崎みやざき市しでは毎年まいとしこの時期じきに、公立こうりつの小中しょうちゅう学校がっこうの給食きゅうしょくに必要ひつような費用ひようを試算しさんしています。

市しが新しん年度ねんどの給食きゅうしょく費ひを試算しさんしたところ、コメや牛乳ぎゅうにゅう、野菜やさいなどの食材しょくざい費ひが高騰こうとうしている影響えいきょうで、現在げんざいの献立こんだてを維持いじする場合ばあいには今年度こんねんどより1割わり程度ていど、給食きゅうしょく費ひを値上ねあげする必要ひつようがあるという結果けっかをまとめたことがわかりました。

具体ぐたい的てきには、1食しょくあたり小学校しょうがっこうではおよそ274円えんから302円えんに中学校ちゅうがっこうではおよそ326円えんから364円えんに引き上ひきあげる必要ひつようがあるとしています。

この試算しさんどおりに値上ねあげした場合ばあい、年間ねんかんでは小学校しょうがっこうで5600円えん程度ていど、中学校ちゅうがっこうで7700円えん程度ていどそれぞれ上昇じょうしょうすることになり、給食きゅうしょく費ひがこれまでで最もっとも高たかくなります。

各かく学校がっこうでは、この試算しさん結果けっかをもとに保護ほご者しゃなどと協議きょうぎして新しん年度ねんどの給食きゅうしょく費ひを決きめることになります。

宮崎みやざき市し保健ほけん給食きゅうしょく課かは「国くにが定さだめる栄養えいよう摂取せっしゅ基準きじゅんの中なかで子こどもの成長せいちょうを第だい一いちに考かんがえた試算しさんで、負担ふたんが難むずかしい世帯せたいには給食きゅうしょく費ひの全額ぜんがく援助えんじょもしているので、制度せいどの活用かつようを促うながしたい」としています。