昔、たへいという若い男が、妹の結婚式に行って帰るとき、山の中の道を通りました。夜で、とても寒い日でした。
たへいは、急におなかがすいて、動くことができなくなりました。食べ物を持っていなかったからです。冷たい風が吹いて、雪も降ってきました。
しばらくすると、木を切る仕事をしている男が来ました。たへいは、体を動かして、おなかがすいて困っていることを伝えました。男は、大きなおにぎりを出して、半分くれました。たへいが食べると、おなかがすいたのがうそのようになくなりました。
男は「この山は高知県に入った最初の山です。お地蔵さんが、山を甘く見ないで気をつけてくださいと教えているのかもしれません」と言いました。
それから、夜この道を通る人は、必ずおにぎりを持つようになりました。