昔、左甚五郎と狩野法眼という2人の名人が旅をしていました。甚五郎は木で、法眼は紙に絵を描く名人です。
旅は長くて大変でした。甚五郎は近くにあった木で馬を作りました。木の馬は本当の馬のように鳴いて、走り出しました。法眼は、紙に馬の絵を描いて息を吹きかけました。すると、絵の馬が動き出して、本当の馬のように飛び出してきました。
2人は馬に乗って旅を続けました。川に着きました。法眼の馬は水を怖がって川に入りませんでした。法眼は馬を持って川を渡りました。甚五郎の馬は川を渡っていましたが、途中で流されてしまいました。木の馬は軽いので、水に浮いて流れてしまったのです。
宿に着くと、法眼は馬に息を吹きかけて、馬を紙の絵にしました。甚五郎は木の馬を宿の前の木につないでおきました。
夜、雷が落ちて、木の馬は焼けてしまいました。甚五郎は悲しみました。
次の日、甚五郎は法眼のことを待たないで、宿を出ました。法眼は紙から馬を出そうとしましたが、出てきませんでした。雨で紙がぬれて、絵がにじんでしまったからです。法眼は走って甚五郎を追いかけました。
そのあと、2人はまた仲良く旅を続けました。