国連の安全保障理事会では、24日、アメリカが「侵攻」などロシアに批判的な文言を避けて「紛争の早期終結」を要請する決議案を提出し、ロシアを含む10か国の賛成で採択されました。
イギリスやフランスなどヨーロッパの5か国は棄権し、アメリカとの立場の隔たりが浮き彫りになりました。
これについてロシア大統領府のペスコフ報道官は25日、記者団に対し、「アメリカがよりバランスのとれた立場を取っていると認識している。これは、ウクライナ紛争の解決に向けた取り組みを大いに後押しする」と述べ、歓迎しました。
また、ヨーロッパについては、「現状では、バランス感覚に欠けるが、アメリカとの話し合いを経て、バランスを取るようになるのではないか」と述べ、ヨーロッパの対応も変化する可能性があるとの見方を示しました。
一方、トランプ大統領が24日、停戦後の平和維持のため、ヨーロッパ各国がウクライナに部隊を派遣することをロシアが受け入れる可能性があるという認識を示したことについて、ペスコフ報道官は、ラブロフ外相の発言に言及し、否定的な見方を示しました。
ラブロフ外相は2月18日、NATO=北大西洋条約機構の加盟国の軍が、ウクライナに派遣されることは「受け入れられない」と表明しています。
ウクライナ外相「国際社会は反対票投じたグループを注視する」
ウクライナのシビハ外相は、自身のSNSに各国の投票結果を示した総会議場のスクリーンの写真とともにコメントを投稿しました。
この中で「私たちは、決議を支持し、公正で永続的な平和を実現しようとする決意を示した、93の加盟国それぞれに感謝する。国際法と国連憲章を真に尊重するヨーロッパと、志を同じくするすべてのパートナーの新たな力を示すものだ」として、謝意を示しました。
一方、「ウクライナと国際社会は、反対票を投じたグループを間違いなく注視するだろう」とも述べ、具体的な国名は挙げなかったものの採決で反対に回ったアメリカなどを指しているとみられます。