特殊な抗体を含んだ血液を提供することで200万人以上の新生児らの命を救い、「黄金の腕を持つ男性」と呼ばれたオーストラリア人のジェームズ・ハリソンさんが、先月死去していたことが分かりました。豪赤十字が1日に出した声明によると、ハリソンさんは先月17日、シドニー北郊の介護施設で就寝中に息を引き取りました。88歳でした。ハリソンさんは14歳の時、肺の手術後に何度も輸血を受けたことをきっかけに、18歳から血しょう成分の献血を開始。献血可能年齢の上限と定められた81歳になるまで、隔週で通算1100回以上の献血を繰り返しました。ハリソンさんの血液に含まれていた特殊な抗体は、Rh血液型不適合妊娠で新生児に溶血疾患などが起きるのを防ぐための製剤に使われました。