いつでも帰ってこられる場所があると思っていられるのは、ずいぶんと心強いことだと思うんです。別に帰ってこなくてもいい。「帰れるところがある」と思っている人と、そんな場所がない人では、人生の選択肢の数が違う。当たり前ですけれど、「退路のある」人の方が発想がずっと自由になれる。ずっと冒険的になれる。
親子関係も同じじゃないかと思います。10年ほど前に高校を卒業した娘が東京へ行くときに、ぼくが娘に言ったのは二つだけです。「金なら貸すぞ」と「困ったらいつでも帰っておいで」。親が子どもに向かって言ってあげられる言葉はこれに尽きるんじゃないでしょうか。泊まるところがなかったら、いつだって君のためのご飯とベッドは用意してあるよ。この言葉だけは親はどんなことがあっても意地でも言い続けないといけないと思うんです。「そんなに甘やかすと自立の妨げになる」と苦言を言う人もいますけれど、ぼくはそれは違うと思う。
「人間は弱い」というのがぼくの人間観の根本なんです。だから、最優先の仕事はどうやってその弱い人間を慰め、癒し、支援する場を安定的に確保するか、です。(中略)家は、メンバーのポテンシャルを高めたり、競争に勝つために鍛えたりするための場じゃない。そういう機会なら家の外にいくらでもある。
家というのは、外に出て、傷つき、力尽き、壊れてしまったメンバーがその傷を癒して、また外へ出て行く元気を回復するための備えの場であるべきだどぼくは思っています。
(内田樹「ぼくの住まい論」による)
これに尽きる:これしかない
ポテンシャル:ここでは、可能性
「帰れるところがある」と思っている人について、筆者はどのように述べているか。
1.
人生の選択肢に迷わない。
2.
人生の可能性が広がる。
3.
自分に自信が持てる。
4.
将来に不安を感じない。
Tác giả đã nói như thế nào về những người nghĩ rằng "có nơi để trở về"?
1. Không bối rối về lựa chọn trong cuộc sống.
2. Khả năng trong cuộc sống được mở rộng.
3. Có thể tự tin vào bản thân.
4. Không cảm thấy lo lắng về tương lai.
筆者は親が子どものためにどうすればよいと考えているか。
1.
いつでも助けてあげられることを伝える。
2.
「人間は弱い」ということを教える。
3.
自立の妨げになることをしない。
4.
将来お金に困らないようにする。
Tác giả nghĩ rằng cha mẹ nên làm gì cho con cái?
1. Truyền đạt rằng luôn có thể giúp đỡ bất cứ lúc nào.
2. Dạy rằng "con người yếu đuối".
3. Không làm những điều cản trở sự tự lập.
4. Đảm bảo rằng con không gặp khó khăn về tài chính trong tương lai.
筆者は、家はどのような場であるべきだと考えているか。
1.
競争に勝つためにさらに自信をつける場
2.
社会で自立するための能力を身につける場
3.
どんなときでも、穏やかな気持ちになれる場
4.
つらくなったときでも、活力を取り戻せる場
Tác giả nghĩ rằng nhà nên là nơi như thế nào?
1. Nơi để tăng cường sự tự tin để chiến thắng trong cạnh tranh.
2. Nơi để phát triển khả năng tự lập trong xã hội.
3. Nơi có thể cảm thấy bình yên bất cứ lúc nào.
4. Nơi có thể phục hồi năng lượng ngay cả khi gặp khó khăn.