冒頭で述べたように、筆者は学生時代からコーヒーなしの生活は想像できず、医学部の過酷な生活にも救われた(確か医学部は入試の時期が異なるだけで、授業が始まってからは特段過酷な思いはしていなかった。世間からは『医学部は、寝る間を惜しんで勉強するほど大変』と誤解されていると思う)。
昨年の記述に続いて、2本の最新研究論文を紹介した。コーヒーや紅茶の摂取に関する議論は、日本では時折見られるが、広範な小規模研究と最近の大規模研究を合わせて振り返ってみると、その効果は明かに無視できないという印象を受ける。
アルツハイマー病やその他の特定の疾患との因果関係の議論はさておき、疫学的に観察されている効果に注目して、同じような食生活やライフスタイルを心掛ける価値はあるのではないか。
最新の研究論文では、コーヒーや紅茶の摂取と認知症リスクの低下との関連性について議論されている。
1980年から2023年にかけて、13万人以上の成人男女を対象にした調査によれば、カフェイン入りコーヒーや紅茶の摂取は、認知症リスクの低下と有意に関連していた。カフェイン摂取の有無に関わらず、その他の潜在的要因がコントロールされていても、コーヒーや紅茶の摂取は明確な効果を示していたという。
筆者としては、今後も1日1〜2杯のコーヒーをたのしみながら、日常生活を続けるつもりだ。しばしば議論されるように、過度な摂取は逆効果になりかねないが、適度な摂取は健康維持に役立つ可能性がある。