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津波からの「避難困難地域」に10万人超える住民 宮城県だけで

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  1. Reading Practice
  2. Article Details

津波つなみからの「避難ひなん困難こんなん地域ちいき」に10万まん人にん超こえる住民じゅうみん 宮城みやぎ県けんだけで

N2
09/03/202548
津波からの「避難困難地域」に10万人超える住民 宮城県だけで
0:00

東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの発生はっせいからまもなく14年ねんになります。
津波つなみによって大おおきな被害ひがいが出でた震災しんさいを教訓きょうくんに、南海なんかいトラフや日本にっぽん海溝かいこう、千島ちしま海溝かいこうなどで発生はっせいする巨大きょだい地震じしんによる津波つなみの浸水しんすい想定そうていが各地かくちで作つくられてきましたが、津波つなみ到達とうたつまでに避難ひなんするのが難むずかしい「避難ひなん困難こんなん地域ちいき」に住すむ人ひとは、宮城みやぎ県けんだけで10万まん人にんを超こえると推定すいていされることがわかりました。
新あらたな津波つなみの被害ひがいから住民じゅうみんの命いのちをどう守まもるのか、大おおきな課題かだいが突つきつけられています。

2011年ねん3月つき11日にちに発生はっせいし2万まん2000人にん以上いじょうが犠牲ぎせいとなった東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいを受うけ、国くには南海なんかいトラフや日本にっぽん海溝かいこう、千島ちしま海溝かいこうなどで発生はっせいする巨大きょだい地震じしんの想定そうていを見直みなおしてきました。
これにあわせて都道とどう府県ふけんは、将来しょうらい起おこりうる最大さいだいクラスの津波つなみ災害さいがいを考かんがえた「津波つなみ浸水しんすい想定そうてい」を作つくるよう法律ほうりつで義務ぎむづけられ、全国ぜんこくの自治体じちたいで避難ひなん計画けいかくなどの策定さくていが進すすめられています。
宮城みやぎ県けんが3年ねん前まえに公表こうひょうした新あらたな津波つなみの浸水しんすい想定そうていでは、最悪さいあくの場合ばあい、浸水しんすいの面積めんせきは震災しんさいの時ときのおよそ1.2倍ばいにのぼるとされました。
この想定そうていに基もとづいた新あらたな避難ひなん計画けいかくについて、NHKが宮城みやぎ県内けんないの15の沿岸えんがん自治体じちたいを取材しゅざいしたところ、このうち7つの市しと町まちが津波つなみの到達とうたつ時間じかんまでに安全あんぜんな場所ばしょに避難ひなんするのが難むずかしい「避難ひなん困難こんなん地域ちいき」を設定せっていし、この地域ちいきに住すむ人ひとは10万まん人にんを超こえると推定すいていされることがわかりました。
具体ぐたい的てきには
▽石巻いしのまき市しで7万まん9400人にん
▽東松島ひがしまつしま市しで9100人にん
▽多賀城たがじょう市しで4000人にんなどと
平野へいやが広ひろがる県けん中ちゅう南部なんぶが多おおくなっています。
自治体じちたいによっては、津波つなみ到達とうたつまでに避難ひなんできる距離きょりのほか、避難ひなん施設しせつを考慮こうりょするかなど設定せっていの条件じょうけんが異ことなるうえ、仙台せんだい市しや気仙沼けせんぬま市しなど現げん時点じてんでは新あらたな想定そうていを受うけた「避難ひなん困難こんなん地域ちいき」を設定せっていしていない自治体じちたいもあります。
東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいで宮城みやぎ県内けんないでは9544人にんが死亡しぼうし、いまも1213人にんの行方ゆくえがわからないままです。
震災しんさいから14年ねんとなるいま、新あらたな津波つなみ被害ひがいから住民じゅうみんの命いのちをどう守まもるのか、大おおきな課題かだいが突つきつけられています。


「避難ひなん困難こんなん地域ちいき」とは

「避難ひなん困難こんなん地域ちいき」は、予想よそうされる津波つなみの到達とうたつ時間じかんまでに避難ひなん対象たいしょう地域ちいきの外そとへ避難ひなんすることが難むずかしいとされる地域ちいきです。
総務そうむ省しょう消防庁しょうぼうちょうは「津波つなみ避難ひなん計画けいかく策定さくてい指針ししん」の中なかで、市町村しちょうそんが定さだめる必要ひつようのある項目こうもくとしています。
指針ししんでは避難ひなんの歩行ほこう速度そくどは毎秒まいびょう1メートルを目安めやすとして、障害しょうがい者しゃや乳幼児にゅうようじなどについてはさらに歩行ほこう速度そくどが低下ていかすることを考慮こうりょする必要ひつようがあるとしています。
また、避難ひなんできる限界げんかいの距離きょりは最長さいちょうでも500メートル程度ていどが目安めやすとなるということです。そのうえで、市町村しちょうそんは「避難ひなん困難こんなん地域ちいき」の住民じゅうみんが避難ひなんできるよう、津波つなみ避難ひなんビルなどを指定していしておく必要ひつようがあるとしています。


「津波つなみ浸水しんすい想定そうてい」全国ぜんこくの動うごき

政府せいふの中央ちゅうおう防災ぼうさい会議かいぎは、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいが発生はっせいしたあと、想定そうていされる巨大きょだい地震じしんにおいて最大さいだいクラスの津波つなみを発生はっせいさせる「海底かいてい断層だんそうモデル」を順次じゅんじ公表こうひょうしています。
南海なんかいトラフは2012年ねんに、相模さがみトラフは2013年ねんに、日本にっぽん海溝かいこう・千島ちしま海溝かいこう沿ぞいは2020年ねんに公表こうひょうしています。
都道とどう府県ふけんは2011年ねん12月つきに施行しこうされた「津波つなみ防災ぼうさい地域ちいきづくり法ほう」に基もとづいて将来しょうらい起おこりうる最大さいだいクラスの津波つなみ災害さいがいを想定そうていした「津波つなみ浸水しんすい想定そうてい」を作つくるよう義務ぎむづけられ、こうした「津波つなみ断層だんそうモデル」をもとに想定そうてい作づくりを進すすめています。
最大さいだいクラスの津波つなみを発生はっせいさせる地震じしんとして、北海道ほっかいどうや東北とうほく地方ちほうでは日本にっぽん海溝かいこう・千島ちしま海溝かいこう沿ぞいの地震じしんや、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいをもたらした東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいよう沖おき地震じしんを。また、西日本にしにほんの太平洋たいへいよう側がわでは南海なんかいトラフの地震じしん、関東かんとうや東海とうかいでは相模さがみトラフで起おきる地震じしんなどをモデルにしています。
国土こくど交通こうつう省しょうによりますと「津波つなみ浸水しんすい想定そうてい」はこれまでに40の都道とどう府県ふけんが作つくっていて、この想定そうていに基もとづいて各かく市町村しちょうそんが津波つなみ避難ひなん計画けいかくの策定さくていやハード・ソフト両面りょうめんの防災ぼうさい対策たいさくを進すすめています。


宮城みやぎ県けんの津波つなみ浸水しんすい想定そうてい

宮城みやぎ県けんは、およそ3年ねん前まえの2022年ねん5月つきに新あらたな津波つなみ浸水しんすい想定そうていを公表こうひょうしました。
この想定そうていでは、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいをもたらした東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいよう沖おき地震じしんと、日本にっぽん海溝かいこうで起おきる地震じしん、千島ちしま海溝かいこうの地震じしんについて津波つなみのシミュレーションを行おこない、それぞれの想定そうてい結果けっかの中なかで最もっとも規模きぼが大おおきいものを地域ちいきごとに選えらびました。
また防潮ぼうちょう堤つつみが壊こわれて機能きのうせず、満潮まんちょうの時間じかん帯たいなど最もっとも悪わるい条件じょうけんが重かさなった場合ばあいを考慮こうりょして、津波つなみの高たかさや浸水しんすいの範囲はんいを想定そうていしました。
その前提ぜんていで分析ぶんせきした結果けっか、宮城みやぎ県けんで浸水しんすいする面積めんせきは東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの津波つなみの1.19倍ばいにあたる391平方キロメートルへいほうきろめ-とるにのぼっています。
宮城みやぎ県けんがホームページで公表こうひょうしている日本にっぽん海溝かいこうの地震じしんのシミュレーションの動画どうがでは、地震じしんの発生はっせい直後ちょくごに宮城みやぎ県けんの沖合おきあいで津波つなみが発生はっせいします。
発生はっせいから20分ふんが過すぎたころには、気仙沼けせんぬま市しから牡鹿おじか半島はんとうにかけての海岸かいがん線せんに数すうメートルの水位すいいを示しめす黄色きいろの津波つなみが近ちかづいていきます。
その後そのご、さらに津波つなみの水位すいいは高たかくなり、赤色あかいろが次第しだいに濃こくなって10メートルを超こえる津波つなみが沿岸えんがんに押し寄おしよせます。
さらに牡鹿おじか半島はんとうを回り込まわりこんだ津波つなみが仙台せんだい湾わんに入はいり、発生はっせいから1時間じかんを過すぎたころには仙台せんだい市しや名取なとり市しなど平野へいや部ぶにも10メートルを超こえる津波つなみが到達とうたつする様子ようすが見みられます。


宮城みやぎ 石巻いしのまきの津波つなみ避難ひなん計画けいかく

宮城みやぎ県けん石巻いしのまき市しの津波つなみ避難ひなん計画けいかくでは、安全あんぜんに避難ひなんできる高台たかだいなどから500メートル以上いじょう離はなれたエリアが「避難ひなん困難こんなん地域ちいき」に指定していされています。


地震じしんのあと津波つなみ来くるまでの時間じかんが地域ちいきによって異ことなるため、中学校ちゅうがっこうの学区がっくごとに、想定そうていされる津波つなみ到達とうたつ時間じかんを踏ふまえて避難ひなんのシミュレーションを実施じっししています。
徒歩とほによる避難ひなんで対応たいおうできない可能かのう性せいがある地域ちいきについては、地域ちいきで避難ひなん方法ほうほうを検討けんとうするよう呼よびかけています。
このうち渡波わたのは中学校ちゅうがっこう区くではおよそ2000人にんが徒歩とほによる避難ひなんでは対応たいおうできない可能かのう性せいがあるとして、車くるまでの避難ひなんについて地域ちいきでの運用うんようルールを検討けんとうするほか、避難ひなん訓練くんれんなどに取り組とりくむ必要ひつようがあるとしています。


石巻いしのまき市し東部とうぶの渡波わたのは地区ちくでは

宮城みやぎ県けん石巻いしのまき市し東部とうぶの渡波わたのは地区ちくは牡鹿おじか半島はんとうの付け根つけねに位置いちし、太平洋たいへいように面めんした平たいらな土地とちにおよそ1万まん3500人にんが暮くらしています。
14年ねん前まえに発生はっせいした東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいでは、最大さいだい5メートルの津波つなみが押し寄おしよせて広ひろ範囲はんいで浸水しんすいし、住宅じゅうたく4000棟むね余あまりが全壊ぜんかいしました。
死者ししゃ・行方ゆくえ不明ふめい者しゃはあわせて519人にんにのぼり、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの被災ひさい地ちの中なかで特とくに大おおきな被害ひがいを受うけた地域ちいきのひとつです。
地震じしんの後のちには沿岸えんがんに高たかさが最大さいだいで7.2メートルの防潮ぼうちょう堤つつみがおよそ2.3キロにわたって整備せいびされ、その内側うちがわには堤防ていぼうの機能きのうも備そなえた防災ぼうさい緑地りょくちが作つくられました。


住宅じゅうたく地ちには津波つなみ避難ひなんタワーや津波つなみ避難ひなんビルも整備せいびされ、津波つなみの浸水しんすい域いきとなった地区ちくでも住宅じゅうたくが再建さいけんできるようになりました。
多おおくの住民じゅうみんが元もとの場所ばしょで再建さいけんを果はたす一方いっぽうで人口じんこうの流出りゅうしゅつは進すすみ、かつて地区ちくの中心ちゅうしん部ぶだった場所ばしょも空き地あきちが目立めだつようになっています。
渡波わたのは地区ちくの人口じんこうは、震災しんさい前まえの2011年ねん2月つきには1万まん7000人にんでしたが、去年きょねん12月末げつまつ現在げんざいで1万まん3500人にんと、この14年間ねんかんで2割わり以上いじょう減少げんしょうしています。


石巻いしのまき市し渡波わたのは地区ちく 津波つなみから逃がれた女性じょせいは

地震じしん発生はっせいの当時とうじ、宮城みやぎ県けん石巻いしのまき市し渡波わたのは地区ちくで津波つなみからかろうじて逃にげることができた女性じょせいが当時とうじの体験たいけんを振り返ふりかえりました。


渡波わたのは地区ちくに住すむ飯野いいの雪江ゆきえさん(51)は、地震じしんが起おきた時ときに地区ちくから7キロほど離はなれた石巻いしのまき市しの中心ちゅうしん部ぶにいました。
津波つなみ警報けいほうが鳴り響なりひびく中なか、急いそいで車くるまで渡波わたのは地区ちくへ戻もどり小しょう学校がっこうに避難ひなんしていた家族かぞくのもとへ向むかいました。そして到着とうちゃくする直前ちょくぜん、踏切ふみきりで停車ていしゃした時ときでした。
目めの前まえに津波つなみが押し寄おしよせてくるのが見みえたため、慌あわててUターンをして迫せまる津波つなみを背せに車くるまを走はしらせました。
平地ひらちが広ひろがる渡波わたのは地区ちくには当時とうじは避難ひなんできる高台たかだいや高たかい建物たてものが少すくなく、飯野いいのさんは車くるまを走はしらせ、ほかより少すこし高たかくなっている陸橋りっきょうにかろうじてたどり着たどりつき、津波つなみの到達とうたつから間一髪かんいっぱつのところで逃にげることができました。
陸橋りっきょうの上うえにはほかにも多おおくの人ひとが避難ひなんしていて、中なかには津波つなみに流ながされながら陸橋りっきょうに上あがってきた人ひともいたということです。
飯野いいのさんはその後そのご、陸橋りっきょうの上うえから住み慣すみなれた地区ちくが津波つなみにのまれていく光景こうけいを眺ながめることしかできませんでした。
地区ちく全体ぜんたいが浸水しんすいしていたため、飯野いいのさんは陸橋りっきょうの上うえに止とめた車くるまの中なかにとどまり、雪ゆきが降ふる中なかで避難ひなんした人ひとたちと身みを寄よせ合あうようにして夜よるを明あかしました。
しかし翌朝よくあさ、目めにしたのは車くるまの中なかで亡なくなっている高齢こうれい女性じょせいの姿すがたでした。


津波つなみから逃がれた飯野いいのさん
「どこかに運はこんであげられればまだ助たすかった命いのちなのではと思おもいましたが、当時とうじはそれどころではありませんでした。本当ほんとうに申し訳もうしわけなくてごめんなさいという思おもいでした」


その後そのご、飯野いいのさんは水みずが引ひいた地区ちくを歩あるいて家族かぞくがいる小学校しょうがっこうに向むかいましたが、浸水しんすいを免まぬかれた2階かいより上うえの教室きょうしつはすでに多おおくの住民じゅうみんが詰つめかけていて、横よこになるスペースを確保かくほするのは簡単かんたんではありませんでした。


結局けっきょく、飯野いいのさんは浸水しんすいした自宅じたくに戻もどり、無事ぶじだった2階かいの部屋へやで電気でんきも水道すいどうもない暮くらしを1か月かげつ以上いじょう、続つづけざるを得えませんでした。
地震じしんの後のち、渡波わたのは地区ちくには新あらたに津波つなみ避難ひなんタワーや避難ひなん所しょが整備せいびされましたが、高齢こうれいの家族かぞくと同居どうきょする飯野いいのさんはいまも津波つなみからの避難ひなんに不安ふあんを感かんじています。


飯野いいのさん
「津波つなみに巻き込まきこまれなくて本当ほんとうによかったと思おもいますが、あんな状況じょうきょうが自分じぶんの周まわりで起おきることは想像そうぞうできなかったので、何なにと言いったらいいかわからない感かんじです。この地区ちくには高齢こうれい者しゃなどが歩あるいて避難ひなんできる場所ばしょがいまも少すくないと感かんじています」


石巻いしのまき市し渡波わたのは地区ちくの新あらたな津波つなみ浸水しんすい想定そうてい

宮城みやぎ県けんが2022年ねんに公表こうひょうした新あらたな津波つなみ浸水しんすい想定そうていによりますと、石巻いしのまき市しでは最大さいだいクラスの津波つなみが来くると東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの1.16倍ばいの範囲はんいにあたる84.9平方キロメートルへいほうきろめ-とるが浸水しんすいするおそれがあります。
このうち石巻いしのまき市し渡波わたのは地区ちくでは、ほぼ全域ぜんいきで3メートル以上いじょう浸水しんすいするおそれがあります。
県けんによりますと、3メートルは一般いっぱん的てきな家屋かおくの2階かいの床下ゆかしたに相当そうとうするということで、それ以上いじょうの高たかさの津波つなみが押し寄おしよせる想定そうていです。
また、渡波わたのは地区ちくの沖合おきあいでは、地震じしん発生はっせいのおよそ56分ふん後ごに7.2メートルの最大さいだい波はが到達とうたつすると予想よそうされています。


渡波わたのは地区ちく 区長くちょう会かい 会長かいちょうの願ねがい

渡波わたのは地区ちくの区長くちょう会かいの会長かいちょうを務つとめる阿部あべ和夫かずおさん(77)さんは、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいが発生はっせいした当時とうじ、沿岸えんがん部ぶにある自宅じたくにいました。


大おおきな揺ゆれのあと、津波つなみが来くる前まえに幼おさない孫まごとともに内陸ないりくにある寺てらに避難ひなんしました。
その寺てらには次々つぎつぎと住民じゅうみんが集あつまって来きて、ほとんど身動みうごきがとれないほどの状態じょうたいで幼おさない孫まごをひざに抱かかえたまま、2晩ばんを過すごしたといいます。
3日にち目めには、流ながされてきたがれきや被害ひがいを受うけた建物たてものなどをかいくぐるようにして3時間じかんかけて歩あるき自宅じたくまで戻もどることができましたが、自宅じたくは2階かいの床上ゆかうえまで浸水しんすいし、全壊ぜんかいでした。
家族かぞくは無事ぶじだったものの、同級生どうきゅうせいや近所きんじょの人ひとなど身近みぢかな人ひとを亡なくしました。
阿部あべさんが住すむ渡波わたのは地区ちくの松原まつばら町まちでは当時とうじ、200世帯せたい以上いじょうが暮くらしていましたが、津波つなみの被害ひがいを受うけるなどして現在げんざいは5分ぶんの1程度ていどにまで減へりました。
阿部あべさんは自宅じたくを修繕しゅうぜんして現在げんざいも家族かぞくと暮くらしていますが、3年ねん前まえに宮城みやぎ県けんが公表こうひょうした新あらたな浸水しんすい想定そうていでは自宅じたく付近ふきんを5メートルを超こえる津波つなみが襲おそい、2階かいまで水没すいぼつすることになります。


渡波わたのは地区ちく 区長くちょう会かいの会長かいちょう 阿部あべさん
「14年ねん前まえはあれほどの津波つなみが来くるとは誰だれも想像そうぞうしていませんでした。この地区ちくには家族かぞくや友人ゆうじんを亡なくし、家いえなどの財産ざいさんを失うしなった人ひとたちがいます。誰だれひとりまたそのような経験けいけんをしてほしくないです」


住民じゅうみんが避難ひなん対策たいさくを検討けんとう

阿部あべさんは去年きょねん5月つき、ほかの区長くちょうなどと一緒いっしょに新あらたな浸水しんすい想定そうていの避難ひなん対策たいさくを検討けんとうする協議きょうぎ会かいを立たち上あげました。
14年ねん前まえ、500人にん以上いじょうが犠牲ぎせいになった地区ちくで、二度にどと悲劇ひげきを繰り返くりかえしたくないという思おもいからでした。
阿部あべさんたちがまず取り組とりくんだのが、津波つなみから逃のがれる一時いちじ避難ひなん所しょの検証けんしょうです。
地区ちくにある高校こうこうなどの避難ひなん所しょを訪おとずれ、ここで浸水しんすいを免まぬかれるとされる2階かい以上いじょうの教室きょうしつなどでメジャーを使つかって避難ひなんスペースを測定そくていしました。
東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいで長時間ちょうじかんにわたって窮屈きゅうくつな避難ひなんを強しいられた経験けいけんから、避難ひなん者しゃが横よこになれる1人にんあたり2平方メートルへいほうめ-とるを確保かくほできるよう、収容しゅうよう人数にんずうを計算けいさんしました。


その結果けっか、現在げんざい、市しが指定していしている10か所かしょの主要しゅような避難ひなん施設しせつと1か所かしょの津波つなみ避難ひなんタワーでは、地区ちくの住民じゅうみんのおよそ2割わりにあたる3000人にんほどしか収容しゅうようできないことがわかりました。
また、一時いちじ避難ひなん所しょにたどり着たどりつけない人ひとたちが津波つなみから緊急きんきゅうに逃のがれるために、震災しんさいの発生はっせい後ごにおよそ2億おく円えんをかけて整備せいびされた津波つなみ避難ひなんタワーも検証けんしょうしました。
タワーの高たかさは13メートルでおよそ90段だんの階段かいだんがあり、阿部あべさんたちは実際じっさいに登のぼって確認かくにんしたところ、住民じゅうみんからは足腰あしこしの弱よわった高齢こうれい者しゃや車くるまいすの利用りよう者しゃが避難ひなんするのは難むずかしいという懸念けねんの声こえがあがりました。
また、市しはおよそ200人にんが収容しゅうようできるとしていますが、地区ちくに多おおくの高齢こうれい者しゃがいることなどから十分じゅうぶんではないという意見いけんもありました。


地区ちく独自どくじの避難ひなんルール作づくり

渡波わたのは地区ちくの協議きょうぎ会かいでは去年きょねん、津波つなみ避難ひなんについて住民じゅうみんアンケートを実施じっししました。5512世帯せたいに配布はいふしておよそ28%の1570世帯せたいから回答かいとうを得えました。
この中なかで「避難ひなんする」と答こたえた1488世帯せたいのうち、半数はんすうの746世帯せたいが車くるまでの避難ひなんを希望きぼうしていることがわかりました。
自由じゆう記述きじゅつには「高齢こうれいなので徒歩とほでの避難ひなんは無理むりだ」「車くるまいすでないと移動いどうできないため車くるまで避難ひなんしたい」といった意見いけんがありました。
しかし、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいで車くるまによる避難ひなんで渋滞じゅうたいが発生はっせいした教訓きょうくんなどから、避難ひなんは徒歩とほが原則げんそくとなっています。
渡波わたのは地区ちくでも浸水しんすい域いきから出でることができる避難ひなん道路どうろは3本ほんで、3年ねん前まえに津波つなみ注意ちゅうい報ほうが発表はっぴょうされた際さいにも渋滞じゅうたいが発生はっせいしたこともあったということです。
そこで阿部あべさんたちが取り組とりくんでいるのが、地区ちく独自どくじの避難ひなんルール作づくりです。
渡波わたのは地区ちくを3つのエリアに分わけてエリアごとに使用しようする避難ひなん道路どうろを指定していすることで、避難ひなんの分散ぶんさんを促うながし渋滞じゅうたいを緩和かんわできないか検討けんとうしています。
また、地区ちくにいる高齢こうれい者しゃだけで暮くらす世帯せたいや要よう支援しえん者しゃがいる世帯せたいなどの把握はあくにも乗り出のりだしていて、こういった人ひとたちを優先ゆうせん的てきに避難ひなんさせる方法ほうほうも検討けんとうしていく考かんがえです。
さらにいま取り組とりくんでいるのは、避難ひなん道路どうろの先さきにある浸水しんすい域いきの外そとに新あらたな避難ひなん場所ばしょを探さがすことです。
阿部あべさんたちは沿岸えんがんから車くるまでおよそ15分ぶんの高台たかだいにある野球やきゅう場じょうを訪おとずれ、車くるまが止とめられる十分じゅうぶんなスペースがあることを確認かくにんしていました。


また、別べつの土地とちの所有しょゆう者しゃにも直接ちょくせつ会あいに行いって避難ひなん場所ばしょとして使つかえるよう交渉こうしょうしていて、取り組とりくみの結果けっか、すでに一部いちぶの土地とちについて了承りょうしょうを得えられているということです。
阿部あべさんたちはこれまでに8か所かしょの候補こうほ地ちを選定せんていしていて、地権ちけん者しゃとの交渉こうしょうを急いそぎたいと考かんがえています。


渡波わたのは地区ちく 区長くちょう会かいの会長かいちょう 阿部あべさん
「高台たかだいにある指定してい避難ひなん所しょは足たりず、遠とおくに車くるまで逃にげると渋滞じゅうたいする。それをどう整理せいりして解決かいけつしていくのか、被災ひさい地ちとしての経験けいけんを踏ふまえ住民じゅうみん側がわに軸じく足あしを置おいて対策たいさくをきちんと考かんがえたい」


住民じゅうみんの取り組とりくみに石巻いしのまき市しは

渡波わたのは地区ちくがある石巻いしのまき市しは宮城みやぎ県内けんないで最もっとも多おおい住民じゅうみんが「避難ひなん困難こんなん地域ちいき」に暮くらしていて、市しは阿部あべさんたちの協議きょうぎ会かいにもオブザーバーとして参加さんかしています。


石巻いしのまき市し危機きき対策たいさく課かの阿部あべ雄大たけひろ 課長かちょうは「渡波わたのは地区ちくは人口じんこうに対にたいして避難ひなんに適てきした高たかい建物たてものや高台たかだいが不足ふそくしていることが課題かだいだと感かんじている。徒歩とほによる避難ひなんが原則げんそくだが、避難ひなんが困難こんなんな地域ちいきに住すむ人ひとや支援しえんが必要ひつような人ひとは車くるまでの避難ひなんも必要ひつようになるので、地域ちいきと十分じゅうぶんな検討けんとうを重かさねながら避難ひなんのルールを作つくっていくことが課題かだいの解決かいけつにつながる」と話はなしています。
そのうえで「行政ぎょうせいが作つくった計画けいかくではなく、地域ちいきが主体しゅたいとなって行おこなう非常ひじょうによい取り組とりくみで、ほかの地域ちいきのモデルとなる。さまざまな資料しりょうの提供ていきょうや助言じょげんを行おこないながらサポートしていきたい」と話はなしています。


専門せんもん家か「避難ひなん計画けいかく 住民じゅうみんと行政ぎょうせいの調整ちょうせいが重要じゅうよう」

避難ひなん困難こんなん地域ちいきの住民じゅうみんなどが宮城みやぎ県内けんないだけで10万まん人にんを超こえるという推定すいていについて、東北とうほく大学だいがく災害さいがい科学かがく国際こくさい研究所けんきゅうじょの佐藤さとう翔しょう輔 准じゅん教授きょうじゅは「現在げんざいのインフラ施設しせつでは津波つなみを防ふせぎ切きれないことが大だい前提ぜんていで、そういう場所ばしょに何なん人にんが住すんでいたり訪おとずれたりしているのか把握はあくすることは対策たいさくの第一歩だいいっぽとして非常ひじょうに重要じゅうようだ。それを踏ふまえて自治体じちたいは住民じゅうみんに情報じょうほうを共有きょうゆうし、一緒いっしょに対策たいさくを進すすめることが大事だいじになる」と指摘してきしています。


そのうえで各地かくちの津波つなみ対策たいさくについては「津波つなみの浸水しんすいが想定そうていされる範囲はんいや時間じかんを地域ちいきに一ひとつ一ひとつ落とし込おとしこんで、それをクリアできる避難ひなん計画けいかくを個人こじんや地域ちいきのレベルで作つくり、それに基もとづいて訓練くんれんを行おこなって実現じつげん性せいが高たかいかどうか検証けんしょうすることが非常ひじょうに重要じゅうようだ」と述のべました。
佐藤さとう准じゅん教授きょうじゅは、避難ひなん計画けいかくを作つくる際さいには住民じゅうみんと行政ぎょうせいの調整ちょうせいが重要じゅうようだとしていて「自治体じちたいで作つくる計画けいかくに対にたいして、住民じゅうみんで主体しゅたい的てきに考かんがえるものとすり合すりあわせがうまくいかないところもあると思おもう。NPOや専門せんもん家かなど第だい三さん者しゃの視点してんや知恵ちえが入はいることによってうまくいったケースもあるので、第三者だいさんしゃを交まじえた検討けんとうも必要ひつようになってくる」と話はなしていました。

Source: NHK
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