“トランプ関税かんぜい” 次回じかいの交渉こうしょうに向むけて日にち米べいはどう動うごく？

アメリカの関税かんぜい措置そちをめぐり、赤あか澤さわ経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんは、日本にっぽん時間じかんの17日にち、ホワイトハウスで、トランプ大統領だいとうりょうとの会談かいだんや、ベッセント財務ざいむ長官ちょうかんらとの初はじめての閣僚かくりょう交渉こうしょうを行おこないました。

そして、閣僚かくりょうとの交渉こうしょうで、一連いちれんの措置そちは極きわめて遺憾いかんだとして見直みなおすよう強つよく求もとめ、双方そうほうは可能かのうなかぎり早期そうきに合意ごういし、首脳しゅのう間かんでの発表はっぴょうを目指めざすことで一致いっちしました。

このあと赤あか澤さわ大臣だいじんは記者きしゃ団だんに対にたいし「トランプ大統領だいとうりょうが『これをやるのだ』というようなことを強つよく述のべたことは全まったくなく『日本にっぽんが協議きょうぎの最さい優先ゆうせんだ』とのことだった」と述のべました。

また、電話でんわで報告ほうこくを受うけた石破いしば総理そうり大臣だいじんは「今後こんごとも容易よういな協議きょうぎとはならないが、次つぎにつながる協議きょうぎが行おこなわれたと認識にんしきし、評価ひょうかしている。

日本にっぽん政府せいふ“米べい側がわの要求ようきゅう内容ないよう精査せいさ 双方そうほうの歩み寄あゆみより 見みいだしたい”

政府せいふ・与党よとう内ないでは「トランプ大統領だいとうりょうに主導しゅどう権けんを握にぎられるのではないかという懸念けねんもあった中なか、初回しょかいとしては、うまくいった」という受け止うけとめが大勢たいせいです。

ただ、アメリカ側がわは、自動車じどうしゃや農業のうぎょうなどの分野ぶんやをめぐり従来じゅうらいからの貿易ぼうえき面めんでの主張しゅちょうを繰り返くりかえしているということで「トンネルの先さきの光ひかりまでは見みえていない」と話はなす政府せいふ関係かんけい者しゃもいます。

一方いっぽう、トランプ大統領だいとうりょうが不満ふまんを持もっているとされる安全あんぜん保障ほしょうの分野ぶんやについて、日本にっぽん側がわは、すでに防衛ぼうえい力りょくの強化きょうかに取り組とりくんでいるとして、関税かんぜい措置そちの交渉こうしょうとは切り分きりわけたいとしています。

政府せいふは、今月こんげつ中ちゅうの実施じっしを目指めざす次回じかいの交渉こうしょうに向むけて、アメリカ側がわの要求ようきゅう内容ないようを精査せいさし、双方そうほうの歩み寄あゆみよりにつながる分野ぶんやを見みいだしていきたい考かんがえです。

トランプ大統領だいとうりょう「私わたしたちは急いそいでいない」

アメリカのトランプ大統領だいとうりょうは17日にち、ホワイトハウスでイタリアのメローニ首相しゅしょうとの会談かいだんに臨のぞみ、記者きしゃ団だんから「来週らいしゅうまでに日本にっぽんなどと最初さいしょの貿易ぼうえき協定きょうていを発表はっぴょうする予定よていはあるのか」と問とわれると、「私わたしたちは急いそいでいない。

その上うえで、トランプ大統領だいとうりょうは日本にっぽんとの交渉こうしょうに触ふれた上うえで、「われわれは貿易ぼうえきについてとてもうまくやっている。

この会談かいだんに先立さきだち、トランプ大統領だいとうりょうはSNSに関税かんぜい措置そちをめぐる交渉こうしょうについて「きのう、メキシコの大統領だいとうりょうと非常ひじょうに生産せいさん的てきな電話でんわ会談かいだんを行おこなった。

中国ちゅうごくとの間までは、対抗たいこう措置そちの応酬おうしゅうになっていますが、トランプ大統領だいとうりょうは、「中国ちゅうごくと非常ひじょうによい合意ごういが結むすべると思おもう」とも述のべ、最終さいしゅう的てきには事態じたいを改善かいぜんできるという認識にんしきを示しめしました。

ベッセント財務ざいむ長官ちょうかん「より前向まえむきな対話たいわができることを楽たのしみに」

アメリカの関税かんぜい措置そちをめぐり、訪米ほうべいした赤あか澤さわ経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんと会談かいだんしたアメリカのベッセント財務ざいむ長官ちょうかんは17日にち、自身じしんのSNSに「貿易ぼうえきに関にかんする私わたしたちの協議きょうぎがとても満足まんぞくのいく方向ほうこうに進すすんでいることをうれしく思おもう。

《ワシントン支局しきょく長ちょう 解説かいせつ》

高木たかぎワシントン支局しきょく長ちょうの解説かいせつです。

Q．アメリカ側がわは今後こんごの交渉こうしょうでどうでてくるのか？

A。

これに先立さきだちSNSに「非常ひじょうに生産せいさん的てきな会談かいだんだった」とも投稿とうこうしています。

一方いっぽう、その投稿とうこうでは「中国ちゅうごくを含ふくむ各国かっこくがアメリカと会合かいごうを持もちたがっている」としていて、激はげしい貿易ぼうえき戦争せんそうに突入とつにゅうしつつある中国ちゅうごくを強つよく意識いしきしていることをうかがわせました。

Q．トランプ大統領だいとうりょうのそうした姿勢しせいの背景はいけいには何なにが？

A。

トランプ大統領だいとうりょうとしては、中国ちゅうごくに課かした関税かんぜいによる、国内こくない経済けいざいへの悪あく影響えいきょうが広ひろがる前まえに、中国ちゅうごくから大おおきな譲歩じょうほを引き出ひきだしたい考かんがえだと見みられます。

日本にっぽんを最初さいしょの交渉こうしょう国こくに選えらんだのには、日本にっぽんを確実かくじつに自じ陣営じんえいにつけ、中国ちゅうごくへの圧力あつりょくを強化きょうかしたいという思惑おもわくもあったはずです。

一方いっぽうで、国内こくないを意識いしきし、日本にっぽんからは、目めに見みえる成果せいかを早はやく引き出ひきだしたいのが本音ほんねで、当面とうめんは、中国ちゅうごくの出方でかたを横目よこめに見みながら、日本にっぽんとの交渉こうしょうを進すすめるものと見みられます。