領有権を
争うカシミール
地方で
起きたテロ
事件をめぐって、
軍事行動の
応酬が
続いていたインドとパキスタンは10
日、
互いに攻撃を
即時停止し、
停戦することで
合意しました。
围绕着在有领土争议的克什米尔地区发生的恐怖袭击事件,印度和巴基斯坦一直在进行军事行动的相互报复。10日,双方同意立即停止攻击,实现停火。
しかし、インド
側は、パキスタン
側が
その後も
攻撃を
行い、
停戦合意が
破られていると
非難し
これをパキスタン
側が
否定する
事態になっていて、
双方が
自制して
このまま
停戦合意が
続くのか、
予断を
許さない
情勢です。
然而,印度方面指责巴基斯坦方面此后仍然发动攻击,违反了停火协议,而巴基斯坦方面则予以否认,目前双方都在克制,停火协议能否继续维持下去,局势仍不明朗。
インドとパキスタンをめぐってはインド軍が今月7日、テロ事件への報復だとしてパキスタン側にミサイル攻撃を行ったことをきっかけとして、双方が無人機やミサイルによる攻撃を行うなど、軍事行動の応酬が続いていました。
围绕印度和巴基斯坦,印度军队本月7日以报复恐怖袭击为由,对巴基斯坦一侧发动了导弹攻击,由此双方展开了无人机和导弹等攻击,军事行动的对抗持续进行。
こうした中、インド外務省は10日、記者会見を開き、「パキスタンとの間で、すべての攻撃と軍事行動を停止することで合意した」として、停戦合意が発効したと発表し、両国の軍の幹部が12日に協議を行うと明らかにしました。
在这种情况下,印度外交部于10日召开记者会,宣布“已与巴基斯坦达成停止所有攻击和军事行动的协议”,并表示停火协议已经生效,还透露两国军方高层将于12日举行会谈。
パキスタン外務省も10日、声明を発表し「パキスタンはインドとの建設的な外交と包括的な対話に取り組む用意がある」としています。
巴基斯坦外交部也于10日发表声明称:“巴基斯坦已准备好与印度开展建设性的外交和全面对话。”
しかし、カシミール地方で境界線をはさんで両国の軍がいまもにらみ合いを続ける中、11日未明には、インド外務省が声明を出してパキスタン側が攻撃を行い停戦合意がすでに繰り返し破られていると非難し、パキスタン側がこれを否定する事態となっています。
然而,在克什米尔地区,两国军队依然在边界线上对峙。11日凌晨,印度外交部发表声明,指责巴基斯坦方面发动攻击,称停火协议已多次被破坏,而巴基斯坦方面则对此予以否认。
国際社会が
注視する
中、
双方が
自制して
このまま
停戦合意が
続くのか、
予断を
許さない
情勢です。
在国际社会的关注下,双方能否保持克制并继续维持停火协议,局势仍然难以预测。
トランプ大統領 “アメリカの仲介で停戦が実現”
停戦合意の発表に先立って、インドとパキスタンの両外相は、それぞれ、アメリカのルビオ国務長官と電話会談を行い、トランプ大統領は10日、SNSへの投稿で、「アメリカが仲介した長時間におよぶ協議の末、インドとパキスタンは完全かつ即時の攻撃の停止に合意したと発表できることをうれしく思う」として、アメリカの仲介で停戦が実現したと成果を強調しました。
特朗普总统:“在美国的斡旋下实现了停火”——在宣布停火协议之前,印度和巴基斯坦的外长分别与美国国务卿鲁比奥进行了电话会谈。特朗普总统于10日在社交媒体上发文称:“我很高兴地宣布,在美国斡旋下经过长时间的协商,印度和巴基斯坦同意全面且立即停止攻击”,强调了美国斡旋实现停火的成果。
パキスタン首相「トランプ大統領に特別な感謝」
停戦の合意を受け、パキスタンのシャリフ首相は10日夜、国民に向けて演説し「テロ事件を口実に、インドは私たちに不当な戦争を強いた」とインドを非難しました。
巴基斯坦首相:“特别感谢特朗普总统”——在达成停火协议后,巴基斯坦总理谢里夫于10日晚向全国发表演讲,谴责印度称:“印度以恐怖事件为借口,强加给我们一场不公正的战争。”
そして「パキスタンの
部隊は、
数時間でインドの
砲兵隊を
沈黙させた。
これは
歴史に
残る偉業だ」と
述べ、
今回のパキスタン
軍の
作戦の
成果を
強調しました。
他说:“这是载入史册的伟业”,强调了这次巴基斯坦军队行动的成果。
そのうえで「責任ある国家として、われわれは停戦の提案に前向きに応じた。
在此基础上,作为负责任的国家,我们积极响应了停战的提议。
カシミール
地方の
領有権問題を
含むすべての
未解決の
問題は、
平和的な
交渉によって
解決できると
確信している」と
述べ、
外交を
通じた
問題の
解決に
意欲を
示しました。
我们相信,包括克什米尔地区的领土归属问题在内的所有未解决问题,都可以通过和平谈判加以解决,并表示有意通过外交途径解决问题。
また「停戦の仲介において誠実な役割を担ったトランプ大統領に特別な感謝を申し上げたい」とも述べ、アメリカが停戦の仲介役を果たしたとしてトランプ大統領に深い謝意を示しました。
他还表示:“我还要特别感谢在停火调解中发挥了诚实作用的特朗普总统”,并对美国在停火调解中所扮演的角色向特朗普总统表达了深深的谢意。
米 ルビオ国務長官 アメリカの仲介を強調
アメリカのルビオ国務長官は10日、SNSへの投稿で「過去48時間にわたり、バンス副大統領と私は、インドのモディ首相、パキスタンのシャリフ首相を含む両国の高官と協議を行ってきた。
美国国务卿鲁比奥强调美国的斡旋。美国国务卿鲁比奥10日在社交媒体上发文称:“在过去的48小时里,副总统万斯和我一直与包括印度总理莫迪、巴基斯坦总理谢里夫在内的两国高级官员进行了磋商。”
インドとパキスタンの
両政府が
即時停戦と、
幅広い問題での
協議開始に
合意したことが
発表でき、うれしく
思う」として、
アメリカが
仲介を
行ったと
強調しました。
很高兴能够宣布,印度和巴基斯坦两国政府已经同意立即停火,并开始就广泛的问题进行协商,并强调了美国在其中所起的调解作用。
また、国務省のブルース報道官は10日、アメリカのテレビ局の取材に対し「48時間にもわたって、インドとパキスタンのそれぞれの政府と複数のレベルで何度も電話協議が行われた」と述べて、アメリカの仲介の成果だという認識を示しました。
此外,国务院发言人布鲁斯于10日接受美国电视台采访时表示:“在长达48小时的时间里,美方与印度和巴基斯坦两国政府在多个层级进行了多次电话磋商”,并表达了这是美国斡旋成果的看法。
停戦合意に両国市民からは歓迎の声
【インド】
インドとパキスタンが停戦に合意したことについて、インドの首都、ニューデリーの市民からは歓迎する声が多く聞かれました。
两国公民对停战协议表示欢迎【印度】关于印度和巴基斯坦达成停战协议,印度首都新德里的市民中传来了许多欢迎的声音。
28歳の女性は「インド、パキスタンの双方にとって喜ばしいことです。
对28岁的女性来说,“这对印度和巴基斯坦双方来说都是值得高兴的事。”
市民や
兵士が
次々に
犠牲になっていたので
停戦が
合意されて
本当に良かったです」と
話していました。
由于市民和士兵接连成为牺牲者,所以达成停战协议真的太好了,他这样说道。
また、29歳の男性は「両国とも大きな損失があったので、良い判断だと思います。
另外,一位29岁的男性表示:“由于两国都遭受了重大损失,我认为这是一个明智的决定。”
インドはパキスタン
に対し、テロは
絶対に
許さないという
強い意志を
示すことができました」と
話していました。
印度向巴基斯坦表达了坚决不容忍恐怖主义的强烈意志。
ただ、
この男性は、
これまでもカシミール
地方で
両国の
衝突が
繰り返されてきたことをふまえ「
実際に
緊張緩和が
進むのは
段階的になるだろう。
不过,这位男性考虑到过去在克什米尔地区两国反复发生冲突,他表示:“实际上,紧张局势的缓和可能会是分阶段进行的。”
両国の
部隊がすぐに
撤収することを
期待してはいけない」と
慎重な
姿勢も
示していました。
他还表现出谨慎的态度表示:“不能指望两国部队会立即撤退。”
【パキスタン】
パキスタンの市民からは歓迎する声が上がりました。
首都イスラマバードに住む30代の男性は「本当によかったです。
住在首都伊斯兰堡的三十多岁男性表示:“真的太好了。”
毎日、
攻撃が
続いていたので
両国にとって
非常に
意味があります。
もし、
このまま
戦闘が
続いていたら、
核戦争にエスカレートし
両国が
破滅する
おそれがありました」と
話していました。
如果战斗继续下去,就有可能升级为核战争,导致两国毁灭。
また、20代の男性は「うれしいですが、われわれの軍には警戒を怠ってほしくありません。
此外,20多岁的男性表示:“虽然很高兴,但我希望我们的军队不要放松警惕。”
引き続き、インドとの
国境地域を
中心に
警戒を
続けて
いく必要があります」と
話し、
停戦が
続くか
どうかには
懐疑的な
態度を
見せていました。
他表示:“我们需要继续以印边境地区为中心保持警戒”,对停火是否会持续下去持怀疑态度。
《両国での動き》
【動画 1分13秒】インドでは
ニューデリー支局 味田村太郎支局長の報告です
※動画はデータ放送ではご覧いただけません
インドの現地メディアも一斉に停戦合意について速報で伝えています。
《两国的动向》【视频 1分13秒】这是来自印度新德里分社 味田村太郎分社长的报道 ※该视频无法通过数据广播观看。印度当地媒体也同时用快讯报道了停火协议的消息。
いずれも停戦合意を歓迎する論調ですが、インド軍がパキスタン側に強い圧力をかけたことが合意につながったと伝えているメディアもあります。
虽然各方都对停火协议表示欢迎,但也有媒体报道称,是印度军队对巴基斯坦方面施加了强大压力,才促成了这一协议。
インド政府が行った記者会見の中で、インド軍の担当者は「インドとパキスタンの間で戦争となった1971年以降で、今回のパキスタンに対する軍事作戦は最も成功したものだった」と話し、今回の軍事作戦が終始、インドに有利な形で進められたという見解を強調していました。
在印度政府举行的记者会上,印度军方负责人表示:“自1971年印巴战争以来,这次针对巴基斯坦的军事行动是最为成功的一次。”他强调,这次军事行动从头到尾都以对印度有利的方式进行。
一方で、インド側は、「今後、新たなテロ行為が起きれば、インドに対する宣戦布告とみなす」としていて、パキスタンに対して強硬姿勢を崩さず、停戦合意が発効したあとも、インド軍は厳重な警戒態勢を続けるとしています。
另一方面,印度方面表示,“今后如发生新的恐怖袭击行为,将视为对印度的宣战”,对巴基斯坦依然采取强硬立场,并称即使在停火协议生效后,印度军队也将继续保持高度戒备状态。
インドのミスリ外務次官は、インド、パキスタン両軍の幹部が12日に協議すると明らかにしていて、停戦が守られるのか国際社会が注視している状況です。
印度外交部副部长米斯里表示,印度和巴基斯坦两军高层将于12日举行会谈,国际社会正密切关注双方能否遵守停火协议。
【動画 1分10秒】パキスタンでは
イスラマバード支局 太田佑介支局長の報告です
※動画はデータ放送ではご覧いただけません
パキスタンでは、現地メディアが「ビッグニュース」としてトランプ大統領の発表を速報で伝えています。
【视频 1分10秒】在巴基斯坦,由伊斯兰堡分社的太田佑介分社长进行报道。※该视频无法通过数据广播观看。在巴基斯坦,当地媒体将特朗普总统的宣布作为“重大新闻”进行了快讯报道。
さきほど、首都イスラマバードの市民にも話を聞きましたが、「停戦が実現して本当によかった」などと歓迎する声が聞かれました。
刚才,我也采访了首都伊斯兰堡的市民,听到有市民表示“停火能够实现真的太好了”等欢迎的声音。
パキスタンのダール外相は10日、アメリカのルビオ国務長官と電話で会談した後、地元メディアに対して「インドが攻撃をやめれば、われわれも考慮する」と述べていました。
巴基斯坦外交部长达尔在10日与美国国务卿卢比奥通电话后,对当地媒体表示:“如果印度停止攻击,我们也会考虑。”
また、シャリフ
首相も10
日、
声明を
発表し、パキスタン
軍の
作戦の
成果を
強調したうえで「
罪のない
人々が
流した
血のために
復しゅうを
果たした」として、パキスタン
側の
攻撃が
完了したことを
示唆していました。
此外,谢里夫总理也于10日发表声明,强调了巴基斯坦军队行动的成果,并表示“为无辜者流下的鲜血进行了复仇”,暗示巴基斯坦方面的攻击已经结束。
パキスタン政府としては、これまでインドからの攻撃に対し国民から「弱腰だ」と受け止められないためにも、反撃せざるを得ないという背景があったと見られますが、事態のエスカレートは望んでいなかったのが本音です。
巴基斯坦政府之所以不得不进行反击,是因为如果对印度的攻击不作回应,可能会被国民认为“软弱”。但实际上,他们并不希望事态进一步升级。
このため、
アメリカの
仲介により、ほこをおさめるのは、いまが
適切だと
判断したとみられます。
因此,美国出面调解,被认为现在是停止矛盾的适当时机。