【随時ずいじ更新こうしん】ローマ教皇きょうこうにプレボスト枢機卿すうききょう選出せんしゅつ アメリカ出身しゅっしん

ローマ・カトリック教会きょうかいのフランシスコ前ぜん教皇きょうこうが4月つき、亡なくなったことを受うけ、バチカンでは7日にちから次つぎの教皇きょうこうを決きめる選挙せんきょ、コンクラーベが133人にんの枢機卿すうききょうが参加さんかして行おこなわれました。

8日にち午後ごごに行おこなわれた4回かい目めの投票とうひょうの結果けっか、日本にっぽん時間じかんの9日にち午前ごぜん1時じすぎ、会場かいじょうのシスティーナ礼拝れいはい堂どうの煙突えんとつから白しろい煙けむりがあがり、教皇きょうこうが決きまったことが明あきらかにされました。

その1時間じかんあまりあと、アメリカ出身しゅっしんのロバート・フランシス・プレボスト枢機卿すうききょうが第だい267代だいのローマ教皇きょうこうに選えらばれ、レオ14世せいと名乗なのることが発表はっぴょうされました。

新あたらしい教皇きょうこうレオ14世せいがサンピエトロ大だい聖堂せいどうのバルコニーに姿すがたを見みせると、広場ひろばに集あつまった多おおくの信者しんじゃや観光かんこう客きゃくからは大おおきな歓声かんせいや拍手はくしゅが沸き起わきおこりました。

レオ14世せいは集あつまった人ひとたちに対にたいし、「平和へいわがすべてのみなさんとともにありますように」と呼よびかけました。

プレボスト枢機卿すうききょうとは

新あたらしいローマ教皇きょうこうに選えらばれたロバート・フランシス・プレボスト枢機卿すうききょうはアメリカ出身しゅっしんの69歳さい。

プレボスト氏しは2023年ねん、司教しきょうの選出せんしゅつを担当たんとうするバチカンの司教しきょう省しょう長官ちょうかんに任命にんめいされ、フランシスコ前ぜん教皇きょうこうによって枢機卿すうききょうに任命にんめいされました。

プレボスト氏しはフランシスコ前ぜん教皇きょうこうから信頼しんらいを置おかれていたとされ、貧まずしい人々ひとびとや移民いみんに寄り添よりそってきたことで知しられています。

一方いっぽう、アメリカのメディアは、プレボスト氏しが司教しきょうとしてペルーで在任ざいにん中ちゅう、学校がっこうでのジェンダー教育きょういくに反対はんたいする姿勢しせいを示しめしたほか、同どう性愛せいあい者しゃに対にたいしても一定いっていの距離きょりを置おいていると伝つたえています。

トランプ大統領だいとうりょう 米国べいこく出身しゅっしん新しん教皇きょうこうに祝意しゅくい

アメリカのトランプ大統領だいとうりょうは8日にち、SNSへの投稿とうこうで「新あたらしい教皇きょうこうに選出せんしゅつされたプレボスト枢機卿すうききょうにお祝おいわい申し上もうしあげる。

ゼレンスキー大統領だいとうりょう 教皇きょうこう庁ちょうに祝意しゅくいと期待きたい

ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうは8日にち、みずからのSNSに新あたらしい教皇きょうこうへの祝意しゅくいのメッセージを投稿とうこうしました。

この中なかで「ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうを非難ひなんし、罪つみのない市民しみんの権利けんりを守まもるというローマ教皇きょうこう庁ちょうの一貫いっかんした立場たちばを高たかく評価ひょうかしている。

プーチン大統領だいとうりょう 祝辞しゅくじ

ロシアのプーチン大統領だいとうりょうは8日にち「ロシアとバチカンとの間まで築きずかれてきた建設けんせつ的てきな対話たいわと協力きょうりょく関係かんけいが、私わたしたちを結むすびつけるキリスト教きりすときょうの価値かち観かんを基盤きばんに、さらに発展はってんしていくことを確信かくしんしている」などとする祝辞しゅくじを出だしました。

広場ひろばに集あつまった人ひとは

新あたらしい教皇きょうこうにアメリカ出身しゅっしんの枢機卿すうききょうが選えらばれたことについて、フィリピン人じんの女性じょせいは「フィリピンの枢機卿すうききょうが新あたらしい教皇きょうこうになることを期待きたいしていたが、結果けっかには満足まんぞくだ。

また、アメリカ人じんの女性じょせいは「アメリカの大統領だいとうりょうが憎悪ぞうおと分断ぶんだんのメッセージを送おくっている中なかで、アメリカ人じんが教皇きょうこうに選えらばれたことは非常ひじょうに意義いぎ深ふかい」と話はなし、新あたらしい教皇きょうこうが対話たいわを重視じゅうしするメッセージを打ち出うちだすことに期待きたいを示しめしていました。

【専門せんもん家か】新しん教皇きょうこうはどんな人ひと

※午前ごぜん2時じ45分ぶんの特設とくせつニュースで放送ほうそうしました。

※上智じょうち大学だいがく神学しんがく部ぶの菅原すがわら裕二ゆうじ特認とくにん教授きょうじゅに聞ききました。

上智じょうち大学だいがく神学しんがく部ぶの菅原すがわら裕二ゆうじ特とく任にん教授きょうじゅはNHKの電話でんわでのインタビューに応おうじ、新あらたに選出せんしゅつされたローマ教皇きょうこうについて「初はじめてのアメリカ出身しゅっしんの教皇きょうこうであり、司教しきょうとして南米なんべいのペルーでの在任ざいにん経験けいけんがあることから、他国たこくでも活動かつどうする勇気ゆうきがあり、新あたらしい挑戦ちょうせんにも取り組とりくむ人ひとなのではないか」と述のべました。

南米なんべいアルゼンチン出身しゅっしんのフランシスコ前ぜん教皇きょうこうに続つづいて南米なんべいにゆかりのある人物じんぶつが選えらばれたことについては「カトリック教会きょうかいの人口じんこう的てきな重心じゅうしん、そして意見いけんの重心じゅうしんが南米なんべいに移うつっていることのあらわれともみられる」と分析ぶんせきしています。

また、レオ14世せいと名乗なのったことについては「20世紀せいきの初はじめにかけて教皇きょうこうだったレオ13世せいは、教会きょうかい内ないの人々ひとびとだけでなく、社会しゃかいに向むかって倫理りんり的てきな規範きはんを示しめした功績こうせきで知しられている。

そのうえでレオ14世せいに期待きたいすることについては「世界せかいには戦争せんそうや内乱ないらん、前ぜん教皇きょうこうも取り組とりくんだ環境かんきょう問題もんだいなど、問題もんだいは山積さんせきしている。

※国際こくさい部ぶの堀ほり征ただし巳みデスクの解説かいせつ。

Q：新しん教皇きょうこうが発表はっぴょうされた。

A：日本にっぽん時間じかんの9日にち午前ごぜん1時じすぎバチカンのシスティーナ礼拝れいはい堂どうの煙突えんとつから白しろい煙けむりが上あがった。

そして、およそ1時間じかん後ごの午前ごぜん2時じすぎ、新あたらしい教皇きょうこうがサンピエトロ大だい聖堂せいどうのバルコニーに姿すがたを現あらわし、教皇きょうこうとしての名前なまえが発表はっぴょうされ、新しん教皇きょうこうが誕生たんじょうした。

今回こんかいのコンクラーベは、2013年ねん以来いらい、12年ねんぶりに行おこなわれ、日本にっぽん時間じかんの8日にち未明みめいに1回かい目めの投票とうひょうが始はじまった。

世界中せかいじゅうから集あつまった133人にんの枢機卿すうききょうが、初日しょにちは1回かい、2日にち目め以降いこうは午前ごぜんと午後ごごに2回かいずつ、投票とうひょうを繰り返くりかえす仕組しくみ。

今回こんかいは2日にち目めの投票とうひょうで選出せんしゅつされた。

Q：コンクラーベがなぜ世界せかいから注目ちゅうもくを集あつめるのか。

A：まず、世界中せかいじゅうでおよそ14億おく人にんとされるカトリック教徒きょうとのトップを決きめる重要じゅうような選挙せんきょである点てん。

また、枢機卿すうききょうの出身しゅっしん国こくの多様たよう化かが進すすんでいる点てん。

こうしたなか、アルゼンチン出身しゅっしんのフランシスコ前ぜん教皇きょうこうに続つづき、ヨーロッパ以外いがいから教皇きょうこうが選えらばれるかどうかも注目ちゅうもくされた。

さらに、独立どくりつ国家こっかでもあるバチカンが担になってきた外交がいこう活動かつどうも注目ちゅうもくを集あつめる背景はいけいにある。

例たとえば、2005年ねんまでローマ教皇きょうこうだったヨハネ・パウロ2世せいは、東西とうざい冷戦れいせん下かの1979年ねん、社会しゃかい主義しゅぎ政権せいけんだった母国ぼこくポーランドを訪問ほうもん。

その後そのごの民主みんしゅ化か運動うんどうを主導しゅどうした自主じしゅ管理かんり労組ろうそ「連帯れんたい」の精神せいしん的てきな支ささえとなり、東ひがしヨーロッパの民主みんしゅ化かを後押あとおしして冷戦れいせんの終結しゅうけつに貢献こうけんしたといわれている。

Q：新あたらしい教皇きょうこうの注目ちゅうもく点てんは？。

A3：最大さいだいの注目ちゅうもく点てんは、カトリック教会きょうかいの改革かいかくを進すすめてきたフランシスコ前ぜん教皇きょうこうの路線ろせんを継承けいしょうするのか、あるいは伝統でんとうを重視じゅうしする保守ほしゅ的てきな路線ろせんに転換てんかんするのか、という点てん。

前ぜん教皇きょうこうは、バチカンの財政ざいせいをめぐる汚職おしょくや、聖職せいしょく者しゃによる性的せいてき虐待ぎゃくたいの問題もんだいに取り組とりくむだけでなく、同性どうせいのカップルへの「祝福しゅくふく」を認みとめ、移民いみんや難民なんみん、気候きこう変動へんどうといった地球ちきゅう規模きぼの課題かだいにもSNSなどを駆使くしして積極せっきょく的てきに発信はっしんしてきた。

また、イスラム教いすらむきょうをはじめ、他たの宗教しゅうきょうとの対話たいわも重視じゅうししてきた。

さらに、核兵器かくへいきを巡めぐっては、使用しようだけでなく開発かいはつや保有ほゆうも禁止きんしすべきだという歴代れきだい教皇きょうこうよりも踏み込ふみこんだ姿勢しせいを打うちだし、2019年ねんには、ローマ教皇きょうこうとして38年ねんぶりに日本にっぽんを訪おとずれ、被爆ひばく地ちの長崎ながさきや広島ひろしまで核兵器かくへいきの廃絶はいぜつを強つよく訴うったえた。

ただ、こうした前まえ教皇きょうこうの姿勢しせいを批判ひはんする保守ほしゅ派はの存在そんざいもあり、新あらたな教皇きょうこうは、改革かいかく派はと保守ほしゅ派はのバランスをどう取とっていくかが問とわれている。

Q：バチカンが取り組とりくむべき課題かだいは何なにか？

A：バチカンの内外ないがいに山積さんせきしている。

まず、教会きょうかいの内部ないぶでは、聖職せいしょく者しゃによる性的せいてき虐待ぎゃくたいの問題もんだいがある。

また、価値かち観かんの多様たよう化かなどもあって、ローマ・カトリック教会きょうかいのお膝元ひざもと・ヨーロッパでも、若わかい世代せだいを中心ちゅうしんに「教会きょうかい離ばなれ」が進すすんでいて、どう対応たいおうするかもカギになる。

今回こんかい、コンクラーベに参加さんかした枢機卿すうききょうのなかには、SNSを使つかって自みずからの考かんがえを広ひろく発信はっしんする姿すがたも数多かずおおく見みられた。

新しん教皇きょうこうは、いかに「開ひらかれた教会きょうかい」であることをアピールするとともに、問題もんだいを解決かいけつする姿勢しせいを示しめしていくことが重要じゅうようになる。

そして、国際こくさい情勢じょうせいに一定いっていの影響えいきょう力りょくを持もつバチカンの外交がいこうのかじ取かじとりにも手腕しゅわんが求もとめられる。

ロシアによるウクライナ侵攻しんこうや、イスラエルとイスラム組織そしきのハマスとの戦闘せんとうなどの平和へいわ的てきな解決かいけつにどう貢献こうけんできるかという点てん。

さらに、アメリカのトランプ大統領だいとうりょうに象徴しょうちょうされる自国じこく中心ちゅうしんの考え方かんがえかたや、人種じんしゅや宗教しゅうきょう、性別せいべつなど多様たよう性せいを排除はいじょしようとする動うごきに、どう向き合むきあうかも問とわれていると思おもう。

新あたらしい教皇きょうこうが選出せんしゅつされる 礼拝れいはい堂どう煙突えんとつから白しろ煙けむり

ローマ・カトリック教会きょうかいのフランシスコ教皇きょうこうが先月せんげつ亡なくなったことを受うけ、バチカンでは7日にち、次つぎの教皇きょうこうを決きめる選挙せんきょ、コンクラーベが始はじまりました。

初日しょにちの投票とうひょうでは決きまらず、2日にち目めとなる8日にち、日本にっぽん時間じかんの8日にち夕方ゆうがたから133人にんの枢機卿すうききょうが投票とうひょうを行おこなった結果けっか、日本にっぽん時間じかんの9日にち午前ごぜん1時じすぎ、システィーナ礼拝れいはい堂どうの煙突えんとつから白しろい煙けむりがあがり教皇きょうこうが選えらばれたことが明あきらかにされました。

また、サンピエトロ大だい聖堂せいどうでも新あたらしい教皇きょうこうが決きまったことを知しらせる鐘かねが鳴ならされました。

煙突えんとつから白しろい煙けむりがあがると、サンピエトロ広場ひろばに集あつまった信者しんじゃや観光かんこう客きゃくなどからは大おおきな歓声かんせいや拍手はくしゅが起おこっていました。

今回こんかいのコンクラーベでは、フランシスコ教皇きょうこうの改革かいかく路線ろせんが引き継ひきつがれるのかや、枢機卿すうききょうの出身しゅっしん地ちが多様たよう化かするなかでアジアやアフリカなどヨーロッパ以外いがいから選出せんしゅつされるのかも焦点しょうてんとなっていましたが誰だれに決きまったのかなど、詳くわしいことは現時点げんじてんではわかっていません。

このあと、選出せんしゅつされた人ひとの名前なまえと教皇きょうこうとしての名前なまえが発表はっぴょうされる予定よていでそれに続つづいて新あたらしい教皇きょうこうは、サンピエトロ大だい聖堂せいどうのバルコニーに姿すがたを見みせることになっています。

広場ひろばに集あつまった人ひとたちから歓声かんせいと拍手はくしゅ

システィーナ礼拝れいはい堂どうの煙突えんとつから教皇きょうこうの選出せんしゅつを知しらせる白しろい煙けむりがあがると、広場ひろばに集あつまった人ひとたちからは歓声かんせいと拍手はくしゅが沸き起わきおこりました。

ポーランドから夫おっとと訪おとずれていた女性じょせいは「とても幸しあわせで、なんといったらよいか分わからない。

イタリア人じんの男性だんせいは「次つぎの教皇きょうこうに期待きたいすることは、平和へいわ、平和へいわ、平和へいわだ。

アメリカから訪おとずれた男性だんせいは「特別とくべつな瞬間しゅんかんでとても興奮こうふんしている。

【中継ちゅうけい】ローマ・カトリック教会きょうかい

※午前ごぜん1時じ20分ぶんの特設とくせつニュースで放送ほうそうしました。

私わたしはいま、バチカンのサンピエトロ大だい聖堂せいどうへとつながる通とおりにいます。

10分ふんほど前まえ、その煙突えんとつから白しろい煙けむりが上あがると、待まちわびた人ひとたちは大おおきな歓声かんせいを上あげ、抱き合だきあったりスマートフォンで写真しゃしんを撮とったりしていました。

ドイツから来きた女性じょせいは「歴史れきし的てきな瞬間しゅんかんに立ち会たちあえてうれしい」と話はなしていた。

そして、人々ひとびとの関心かんしんは次第しだいに「教皇きょうこうに選えらばれたのは誰だれなのか」という点てんに移うつっています。