「
工場で
勤務中、
機械に
手を
挟んで
指を
骨折した。
危ないと
思ったら
手を
入れなかった」
食品加工の
工場で
働くベトナム
人の
女性の
証言です。
如果覺得危險就不會把手伸進去」,這是一位在食品加工工廠工作的越南女性的證詞。
人手不足を背景に、日本で働く外国人は230万人を超えて過去最多に。
在勞動力短缺的背景下,在日本工作的外國人超過230萬人,創下歷史新高。
これに
伴って
仕事中に
死亡やけがをした
外国人労働者は
去年、
全国で6244
人に
上り、13
年連続で
前の
年を
上回りました。
隨著這一情況,去年全國因工作中死亡或受傷的外國勞工人數達到6244人,連續13年超過前一年。
外国人の労働災害はなぜ増えているのでしょうか。
あなたの
職場は
大丈夫ですか?
外国人労働者の労災 現場では
食品加工の工場で働くベトナム人の女性は、ことし、勤務中に誤って機械に手を挟んでしまい、手の指を骨折しました。
你的職場還好嗎?外籍勞工的職災——在現場,一位在食品加工工廠工作的越南女性,今年在上班時不小心被機器夾到手,導致手指骨折。
事故で、仕事をおよそ3か月間、休まさざるを得ず、労働基準監督署から労災と認められました。
因事故,不得不休息工作大約三個月,並且被勞動基準監督署認定為職災。
ベトナム人女性
「事故にあったときは怖かった。
何度も
日本に
来たことを
後悔している。
そんな危険性があるとは
思わなかった。
危ないと
思ったら
手を
入れなかった」
後遺症で関節がうまく曲げられなくなり、リハビリを続けていますが痛みがまだ残るため、以前のように働くことがでず、精神的にもつらいといいます。
如果覺得危險就不會把手伸進去」因為後遺症導致關節無法順利彎曲,雖然持續進行復健,但因為疼痛仍然存在,無法像以前那樣工作,精神上也感到痛苦。
職場に復帰したあと、けがをした影響などで残業が制限され、給料が以前に比べて減ったことから母国の家族への仕送りが十分に出来ず不安を感じているということです。
在重返職場後,由於受傷的影響等原因,無法加班,導致薪水比以前減少,因此他感到無法充分匯款給母國的家人,心中感到不安。
女性は、外国人が安心して働ける環境の整備を訴えています。
ベトナム人女性
「仕事をしていても危険なところ全部はわからない。
越南女性:「即使在工作,也無法了解所有危險的地方。」
『
危険な
場所に
危険を
知らせる標識が
ある』と
教えてほしい」
“外国人労働者が仕事中に死傷” 去年全国で6000人を超える
仕事中に死亡やけがをした外国人労働者は去年、全国で6000人を超え、13年連続で前の年を上回ったことが厚生労働省のまとめでわかりました。
「希望你告訴我『在危險的地方有警示標誌』」“外國勞工在工作中死傷” 去年,全國在工作中死亡或受傷的外國勞工超過6000人,根據厚生勞動省的統計,這一數字已連續13年超過前一年。
厚生労働省によりますと、日本で働く外国人労働者は、去年10月末の時点で230万人を超えて過去最多となっています。
根據厚生勞動省的資料,截至去年十月底,在日本工作的外國勞工超過230萬人,創下歷史新高。
こうしたなか、去年、仕事中に死亡した外国人は39人で、病気やけがをした人をあわせると6244人に上りました。
在這樣的情況下,去年在工作中死亡的外國人有39人,加上因病或受傷的人,總共達到6244人。
死傷者は
前の
年よりも572
人多く、13
年連続の
増加です。
死傷人數比前一年增加了572人,已連續13年增加。
労働災害の発生率は
「日本人を含めた労働者全体」では1000人あたりの死傷者の割合が2。
勞動災害的發生率在「包括日本人在內的所有勞動者」中,每1000人就有2人死傷。
3だったの
に対して「外国人」はそれを上回る2。
71となりました。
在留資格別では「技能実習」が3。
98、「
特定技能」が3。
91と
高い割合でした。
また、死傷した外国人労働者を業種別にみると
「製造業」が2979人と最も多く
「建設業」が1165人
「商業」が476人でした。
此外,按行業別來看,死傷的外籍勞工以「製造業」最多,有2979人,其次是「建設業」1165人,「商業」476人。
国や地域別では
「ベトナム」が最多の1594人で
「フィリピン」が878人
「インドネシア」が757人でした。
以國家或地區來看,「越南」人數最多,有1594人,「菲律賓」有878人,「印尼」有757人。
厚生労働省は「事故は経験が浅いことや、言語の問題やコミュニケーション不足により起きているとみられる。
厚生勞動省認為,「事故似乎是由於經驗不足、語言問題或溝通不足所導致的。」
企業は、
教材を
活用した
安全教育を
徹底した
上で、イラスト
などを
使って
しっかり現場での
危険を
伝えるようにしてほしい」としています。
企業應在徹底利用教材進行安全教育的基礎上,透過插圖等方式,確實地向現場傳達危險。
専門家「外国人は『指導されていることがわからない』場合も」
外国人の労働災害は日本人を含めた全体よりもなぜ高い割合で発生しているのでしょうか。
專家:「外國人有時候會遇到『不明白被指導的內容』的情況」——為什麼外國人的勞動災害發生率會高於包括日本人在內的整體比例呢?
外国人の
労働問題に
詳しい神戸大学大学院の
斉藤善久 准教授に
聞きました。
我們採訪了熟悉外國人勞動問題的神戶大學研究所副教授齊藤善久。
Q。
外国人の労働災害が増えているのはなぜ?
A。
人手不足で国内の労働者を確保できない嫌がられる仕事に外国から来てもらっている。
因為人手不足,無法確保國內勞動者,所以讓外國人來從事那些本地人不願意做的工作。
ことばも文化も同じような日本人の労働者とは違い、外国人労働者は働いてもらう時により気をつける必要があるし、ノウハウも必要だ。
和語言和文化都相似的日本勞動者不同,雇用外國勞動者時需要更加注意,也需要相關的專業知識。
外国人を指導する特別な人材も確保するのが難しいという事情がある。
Q。
外国人からどのような内容の相談が多い?
A。
全く指導してもらえないという相談が多い。
会社からすれば「指導している」というのかもしれないが、言語上の問題や伝え方の問題があって、外国人からすれば「指導されていることがわからない」ということがあるのかもしれない。
對公司來說,可能認為這是在「指導」,但由於語言或表達方式的問題,對外國人來說,可能會出現「不知道自己正在被指導」的情況。
日本人のスタッフが教えても伝わらないので、現場に慣れた先輩にやってもらうことがあるが、その先輩も本当にどこまで分かっているのか…。
由於日本員工教了也無法傳達清楚,所以有時會讓熟悉現場的前輩來做,但那位前輩到底真正理解到什麼程度呢……
機械の操作ができてもトラブルなどの緊急事態の対応は分かっていない可能性もあるので、理解できているかちゃんとチェックする必要がある。
即使能夠操作機械,也有可能不了解如何應對故障等緊急情況,因此有必要確實檢查是否已經理解。
外国人の労災防止を 介護施設の対策は
外国人の労働災害を防ごうと対策も始まっています。
為了防止外國人的勞災,護理機構也開始採取對策,以防止外國勞工發生勞動災害。
栃木県内で8つの福祉施設を運営する社会福祉法人は、勤務するおよそ500人の職員のうち11%にあたる53人が外国人労働者です。
在栃木縣內經營8家福利設施的社會福利法人中,約有500名員工,其中11%、也就是53人,是外籍勞工。
このうち、宇都宮市内の介護施設では「特定技能」や「介護」の在留資格を持つ、インドネシア、ネパール、ブータン、スリランカから来た9人が働きます。
在這之中,宇都宮市內的護理機構有9位持有「特定技能」或「護理」在留資格,來自印尼、尼泊爾、不丹及斯里蘭卡的人在此工作。
法人が対策を始めたのはおよそ5年前。
現場から「外国人の職員は日本語の理解度が人によって異なり、ことばだけで伝わっているか不安だ」という声が寄せられたことがきっかけでした。
現場收到反映:「外籍員工對日語的理解程度因人而異,僅靠語言傳達是否充分令人不安。」這就是契機。
例えば、「手を洗ってください」という日本語には「両手を洗う」という意味で使うことがありますが、働く外国人のなかには「片手を洗う」という意味に取った人がいたというのです。
例如,「請洗手」這句日語,有時是指「請洗雙手」的意思,但據說有些外國勞工卻理解成「只洗一隻手」。
実際に日本語で指示を受けて戸惑った外国人もいます。
来日5年目のインドネシア人の女性は、仕事を始めたばかりのころ先輩から「平行移乗」をするよう言われました。
來日本第5年的印尼女性,剛開始工作時被前輩要求進行「平行移乘」。
この「平行移乗」は、ベッドにいる入所者を隣に並べた車いすに移動させる動作で、指示を聞いた女性は1人で対応しようとしました。
這個「平行移乘」是指將躺在床上的住民移動到旁邊並排的輪椅上的動作,被指示的女性試圖一個人來應對。
しかし、先輩は入所者の状態から入所者も職員もけがをしないよう「2人で介助する」という意味を込めていたというのです。
但是,前輩的意思是,根據入住者的狀態,為了讓入住者和職員都不會受傷,「要兩個人一起協助」。
ことばに込められた意味を聞かされた女性は「自分の理解と先輩が本当に指示していたことが違いました。
聽到語言中所蘊含的意義後,這位女性表示:「我自己的理解和前輩真正指示的內容是不一樣的。」
ことばは
難しいなと
思いましたが
教えてもらって
助かりました」と
話していました。
ポイントは“言語・文化の違い”を踏まえる
こうして始まった対策。
重點在於「基於語言與文化差異」而展開的對策就此開始。
この法人が
大事にしている
ポイントは
言語や
文化の
違いを
踏まえること。
まず取り組んだのがピクトグラムの掲示です。
階段など段差のある場所で足を踏み外したりキッチンや浴室で滑ったりして転倒しないよう、その場所の危険性を誰でも一目でわかってもらえるようにしました。
我們已經讓任何人一眼就能明白那些有階梯等高低差的地方,或是在廚房、浴室容易滑倒的地方存在的危險性,以防止在這些地方踩空或滑倒。
そして、ネパール語やインドネシア語などそれぞれの母国語で補足して、具体的に注意を喚起します。
然後,會用尼泊爾語、印尼語等各自的母語進行補充,具體提醒注意事項。
介護マニュアルも見直しました。
仕事の内容をやさしい日本語で紹介するのに加えて、理解を深めてもらうため細かな作業には写真を添えました。
除了用簡單的日語介紹工作內容之外,為了讓大家更深入了解,對於細節的作業也附上了照片。
さらに、年に4回、法人が運営する施設で働く外国人を一堂に集めた研修会も始めました。
此外,我們也開始了一年四次,將在法人經營設施工作的外國人齊聚一堂的研修會。
事故を起こさないよう、また、事故に遭わないよう、仕事の内容を正しく理解しているか技術を確かめます。
為了避免發生事故,並且不讓自己遭遇事故,我們會確認是否正確理解工作的內容以及技術是否到位。
介護業界では無理な動作などで体を痛める人が多いことを受けて、5月の研修会では腰痛にならないための姿勢や動作を学びました。
鑑於在看護產業中有許多人因為勉強進行無理的動作而傷害身體,五月的研修會上我們學習了為了預防腰痛所需的正確姿勢與動作。
ちゃんと理解できているか、何度も動作を繰り返し、みんなで確認しました。
社会福祉法人「蓬愛会」大山知子 理事長
「今後の日本の介護には外国人が必要不可欠な存在であることは言うまでもありません。
社會福祉法人「蓬愛會」大山知子 理事長:「今後日本的照護工作,外國人將成為不可或缺的存在,這一點毋庸置疑。」
1つの
労働力の
外国人が
来てということではなく、
育った
国の
文化を
含めて
こちらが
理解して
仕事に
当たれるかが
事故を
防ぐ大きな観点だと
思います」
外国人の労災どう防ぐ【専門家Q&A】
外国人を雇う上でどのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。
並不是單純地有一個外籍勞工來工作,而是我們是否能夠理解他們成長國家的文化,並以此來從事工作,這才是預防事故的重要觀點。我認為,關於如何防止外籍勞工的職災,雇用外國人時需要注意哪些事項呢?
公益社団法人・
東京労働基準協会連合会の
顧問、
滝澤成さんに
話を
聞きました。
我們採訪了公益社團法人・東京勞動基準協會聯合會的顧問,滝澤成先生。
Q。
労働災害を防ぐ上で大事なことは。
A。
自分の出身国で使っていないような機械や器具が多い。
まずは使い方を丁寧に教えてほしい。
事故の防止にはきちんと教えることが必要だが、ことばの壁がある。
学校の先生が子どもに教えるようにわかるような優しいことばで、かみ砕いて話してほしい。
請用像學校老師教小朋友一樣,使用簡單易懂的語言,詳細地說明給我聽。
そして、教える人がきちんと教えても相手にしっかり伝わっているか検証が必要だ。
而且,即使教學者已經好好教導,也有必要檢驗對方是否確實理解了。
外国人に教えると「わかりました」とか「大丈夫です」と答えるがそれで終わりにせず、こうした場合はどうなる、では、やってごらんなさいと確かめていく必要がある。
教外國人的時候,對方常常會回答「我明白了」或「沒問題」,但不能就此結束,還需要進一步確認,比如問「這種情況下會怎麼做呢?」或者說「那麼,請你試試看」。
Q。
外国人に日本語で話すとき気をつけることは。
A。
日本人どうしで話をするときは例えば、おなかが痛い時には「ギリギリ痛い」とか「ズキズキする」という言い方をするが、外国人は理解できない。
當日本人彼此交談時,例如肚子痛的時候會說「ギリギリ痛い」(絞痛)或者「ズキズキする」(刺痛),但外國人是無法理解這些說法的。
日本人は主語を使わずに会話をするが外国人は主語を外すと何を言っているのか理解できないことがある。
日本人經常在對話中省略主語,但外國人如果省略主語,有時會聽不懂對方在說什麼。
教育にあたるスタッフは主語と述語をはっきりさせて話す習慣を身につけることが必要だ。
Q。
今後の課題は。
A。
技能実習生など外国人労働者が働くところは非常に規模の小さな企業が多い。
技能實習生等外籍勞工工作的地方,多為規模非常小的企業。
教育をすることは大変で、ノウハウや知識が不足しているところもある。
教育是一件很困難的事情,也有缺乏方法和知識的地方。
こうしたところにコミュニケーションの取り方を教えたり、テキストを紹介したりする支援が必要になってくると思う。
我認為在這樣的情況下,有必要提供教導溝通方式或介紹相關文本的支援。
また、外国人は日本で暮らす生活者としての側面もあり、サポートが必要だ。
此外,外國人作為在日本生活的居民,也有需要支援的方面。
(2025年6月1日「おはよう日本」で放送)
。