能登半島豪雨をはじめ、
毎年のように
大きな被害をもたらす
線状降水帯について、
気象庁気象研究所は
航空機で
海上の
水蒸気を
直接観測する
取り組みを
大学と
共同で
来月から
始めることになりました。
日本海沿岸を中心に毎年のように大きな被害をもたらす线状降水带について,气象厅气象研究所将与大学联合,从下个月开始采用飞机直接观测海上的水蒸气。
気象庁は、線状降水帯の半日程度前の予測を行っていますが、的中率の低さが課題となっていてメカニズムの解明や予測精度向上につなげたい考えです。
气象厅虽然能够在线状降水带形成前大约半天进行预测,但由于命中率较低,这成为一个课题,因此希望通过揭示其机制来提高预测精度。
積乱雲が次々と発生し、同じ場所に帯状に連なる線状降水帯について、気象庁は発生が予測された場合、半日程度前に警戒を呼びかける情報を発表しています。
气象厅表示,如果预测到积雨云接连生成并在同一地点形成带状的线状降水带,将会在大约半天前发布警戒信息。
しかし、去年は、9月の能登半島豪雨を予測できないなど、「見逃し」は6割を超え「的中率」もおよそ1割にとどまっています。
然而,去年由于无法预测9月的能登半岛暴雨等情况,“漏报”超过了六成,“命中率”也仅约为一成。
海から陸に向かって大量の水蒸気が流れ込む状況を把握するためこれまでも船による観測を行っていますが、関係者によりますと気象庁気象研究所が、航空機を活用し、上空から観測する取り組みを始めることがわかりました。
为了掌握大量水蒸气从海洋流向陆地的情况,迄今为止一直通过船只进行观测,但据相关人士透露,日本气象厅气象研究所已决定利用飞机,从高空进行观测。
観測は来月からことし9月にかけて複数回行う予定で、梅雨前線の活動が活発になると予想されたり、暖かく湿った空気の流れ込みが強まると見込まれたりした場合、東海から沖縄の沖合を飛行し、高度およそ1万3000メートルから、「ドロップゾンデ」と呼ばれる観測機器を投下します。
观测计划从下个月开始到今年九月进行多次,如果预计梅雨锋活动变得活跃,或者预计温暖湿润的空气流入增强,将在东海到冲绳近海飞行,并从大约1万3千米的高空投下被称为“投落式探空仪”的观测设备。
ドロップゾンデは落下しながら上空の気圧や湿度、風速などを観測しデータを送信します。
投落探空仪在下落过程中会观测高空的气压、湿度、风速等,并发送数据。
航空機を使った上空からの観測は、これまで名古屋大学などの研究グループが主に台風を対象に行っていて、気象研究所は今回、大学の研究グループと共同で実施します。
利用飞机从空中进行观测,过去主要是名古屋大学等研究团队以台风为对象进行的,这次气象研究所将与大学的研究团队共同实施。
積乱雲が急速に発達する状況を詳しく把握し、将来的には予測精度の向上につなげたい考えです。
希望能够详细掌握积雨云迅速发展的情况,并在将来提升预测的准确性。
専門家「正確に予測できれば失われる命をゼロに」
大雨のメカニズムに詳しく、これまで台風の航空機観測を続けてきた名古屋大学・横浜国立大学の坪木和久教授は、線状降水帯の予測精度が向上するためには航空機による観測が欠かせないと指摘しています。
专家表示:“如果能够准确预测,可以将失去的生命降为零。”名古屋大学和横滨国立大学的坪木和久教授精通大雨的机制,并一直进行台风的航空观测。他指出,为了提高线状降水带的预测精度,航空观测是不可或缺的。
坪木教授によりますと、これまで線状降水帯ができた際には上空に大量の水蒸気が帯状に流れ込む、「大気の川」と呼ばれる現象が確認されているということです。
据坪木教授介绍,至今为止,在形成线状降水带时,已经确认到有大量水蒸气以带状流入高空的现象,这种现象被称为“大气河流”。
線状降水帯を予測するためには海上にある「大気の川」の水蒸気の分布の状況や大気の不安定の度合いなどを詳細に把握することが重要であるものの、大気の川は短い期間で消滅することなどから航空機で複数の地点のデータを取ることが極めて重要だとしています。
要预测线状降水带,详细掌握海上“大气河流”中水蒸气的分布状况以及大气不稳定程度等信息非常重要。然而,由于大气河流在短时间内就会消失,因此用飞机在多个地点获取数据被认为极为重要。
坪木教授は来月からの気象研究所の観測にも参加するということです。
据说坪木教授也将参加从下个月开始的气象研究所的观测。
坪木教授は「線状降水帯を正確に予測するために必要な『大気の川』の詳細な構造について、データが得られると考えている。
坪木教授认为,通过获取数据,可以了解为了准确预测“线状降水带”所需的“大气河流”的详细结构。
半日前から、いつ・
どこで・
どれくらい
雨が
降るのかを
正確に
予測できれば
線状降水帯によって
失われる
命をゼロに
できると
考えていて、
今回の
観測は
その第一歩だ。
如果能在半天前准确预测何时、在哪里、会下多少雨,我认为就能将因线状降水带而失去的生命降为零,这次的观测就是迈出的第一步。
長期の
継続的な
観測が
不可欠だと
思う」と
話しています。